日差しも暖かくなり、アマチュアゴルファーにとっても待望のシーズン開幕です。日刊スポーツの紙上レッスン、今年度は永井花奈プロ(22=デンソー)が登場。「永井花奈のアベ100切りできるカナ?」と題し、1年間にわたり、アマチュアゴルファーには大きな壁となる100切りのポイントを教えます。第1回は、自身の100切り体験談と皆さんへのメッセージです。

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はじめまして、永井花奈です! まずは私のゴルフ経験から紹介します。

ゴルフクラブを初めて手にしたのは、小学1年でした。幼稚園卒園時の夢は「プロゴルファー」でした。父がよくゴルフに行っていて、何がそんなに面白いんだろうと思っていたようで、自分からやりたいと言ったらしいです。それで家の近くの練習場に行ったら、そこのティーチングプロの方から「まだ体も小さいので小学校から始めたら」と言われました。でも、やりたい気持ちがあったみたいで、そう書いたみたいです(笑い)。

プロを意識したのは小4で、競技に出始めた頃でした。ただレッスンプロの指導を受けたことはありません。実際に昨年までもプロコーチにはつかず、父(利明さん、52)の指導を受けてきました。

小4でプロを意識したと話す永井花奈
小4でプロを意識したと話す永井花奈

父に教えられたことは、とにかく「力まないこと」でした。何かでジャック・ニクラウスが「力みを取ってくれるコーチがいたら私は今すぐ駆けつける」というのを聞いたみたいで。親子だから、良くも悪くも何でも言えます。それは父で良かったことです。けんかになることも多いんですけど(笑い)、他人だったら言いづらいところも、思ったことをすべて言ってもらえたのは良かったです。

私自身、100切りを果たしたのは小3か小4でした。100を切ったら何か買ってもらえるとかをやっていました。だから100とか90とかを切るのは、結構燃えてたかもしれません(笑い)。

100切りまでは約3年かかりましたが、小4で出た試合で85、小5で70台を出しました。家の近くの練習場が60ヤードくらいなんです。だから基本、練習はアプローチでした。カゴを満タンにすると200球くらいですが、30、40ヤードのグリーンやカゴを狙って打っていました。ドライバーとかはほとんど打っていなかったです。それは父なりの考えがあったからでした。

アプローチからのパーも、パーオンしてのパーも、パーはパー。いずれ身長が伸びて飛ぶようになったら届くから、今はアプローチだと。アプローチが急にいらなくなることもないですから。それと、よく父が言っていたのは「ビジネスゾーン(右腰から左腰までのスイング動作のこと)」で、この部分はどのショットも一緒です。そこを重点的にやるというのが、私にとってはアプローチでした。

常に100を切るために、アマチュアゴルファーにとっては、何か基準を作るのが重要かなって思います。それがドライバーでもいいんです。あとは欲をかくので、確率的に高いものを冷静に考えられたらいいと思います。それと、こういうライだとこういうミスが出やすいとか、分からない人が多いような気もしています。打つ前に分かることなので、それを知っておくだけでも大きく変わると思います。

プロだから難しいことをしているわけではありません。私が普段気をつけている点を紹介していきますので、1年間どうぞよろしくお願いします!


◆永井花奈(ながい・かな)1997年(平9)6月16日、東京都生まれ。アマチュア時代は12年「ロレックスジュニアゴルフチャンピオンシップ」12~14歳女子の部で優勝。13、14年は「関東女子ゴルフ選手権」を連覇。14年にはナショナルチーム入り。16年7月、プロテスト合格。17年にツアー初優勝を果たすと、賞金ランク20位に入りシード権を獲得。昨年も36位で3年連続のシード権確保。所属はデンソー、契約クラブはヤマハ、ボールはタイトリスト、ウエアはMARK&LONA、シューズはecco。趣味は映画観賞。155センチ、55キロ。

取材・構成 川田和博

撮影    鈴木正人 

協力    飯能グリーンCC(埼玉・飯能市)