女子ゴルファー永井花奈プロ(22=デンソー)が「アベ100切り」のポイントを教えるレッスン。今回はドライバー編として、アマチュアゴルファーにとって永遠の課題となっている「なぜ曲がるのか?」についてアドバイスします。

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こんにちは~! 永井花奈です。今回のテーマは基本的なドライバーの打ち方ですが、まずは「なぜ曲がるのか?」についてです。

そもそも、ドライバーは曲がるものです(笑い)。そう思うのが一番ですが、アマチュアの方を見ていると、少し振り過ぎているように思います。アマチュアの方が曲がる大きな原因の1つは、この振り過ぎにあると思います。振ることも大事ですが、私が大事にしているのは芯に当てること。振り過ぎてしまうと、芯で捉えられずにミート率が下がってしまいます。

永井プロの1Wお手本ショット
永井プロの1Wお手本ショット

振り過ぎを防ぐために意識するといいのは、フィニッシュをしっかり取ることです。振り終わりでピタッと止まれないアマチュアの方をよく見かけますが、これは完全に振り過ぎです。フィニッシュを取れないプロはいません。それは下半身がしっかりしているとかの安定性にもつながっているとは思いますが、大切なのはフィニッシュで止まれるスピードで打つということです。

多くのアマチュアの方は上半身に力が入ってしまい、揺さぶられているように思います。重要なのは下半身です。基本的な構え方(4月21日掲載)でもお話しした「どこから押されても揺るがないスタンス」ですね。これは本当に大事なことなので、もう1度紹介します。私の場合、ジャンプして着地したポジションがいいと思っていて、そのポジションがしっかり体重を支えられていると思っています。

下半身が安定したいいスタンス(左)。右は力が入りすぎて揺さぶられているように見える
下半身が安定したいいスタンス(左)。右は力が入りすぎて揺さぶられているように見える

フィニッシュを取るために重要なのは左足です。左足の足裏全体で力を支えるのがポイントです。つま先やかかとに偏らないようにして、左足裏全体で支えてフィニッシュを取るというのが、私が大事にしていることです。左足と右足は9対1くらいの割合です。

振ることも大事ですが、フィニッシュを取れないくらいまで振ってしまうと、芯に当たらなくなって、飛ばないし、曲がりにもつながると思います。フィニッシュを取れるように意識してみてくださいね!

◆ミート率とは?

スイングスピード(ヘッドスピード)で生じた力をゴルフボールにどれだけ伝えられているのかを数値で示したもの。「ボールの初速」÷「ヘッドスピード」で算出できます。例えば、ヘッドスピードが秒速42メートルでボールの初速が秒速60メートルの場合、60÷42でミート率は1・43となります。一般的にプロは1・50前後、アマチュアは1・40前後であれば高いといわれています。ミート率アップは飛距離アップ、安定的なショットの実現につながるので、1度ご自身のミート率を確認してみてもいいでしょう。


◆永井花奈(ながい・かな)1997年(平9)6月16日、東京都生まれ。アマチュア時代は12年「ロレックスジュニアゴルフチャンピオンシップ」12~14歳女子の部で優勝。13、14年は「関東女子ゴルフ選手権」を連覇。14年にはナショナルチーム入り。16年7月、プロテスト合格。17年にツアー初優勝を果たすと、賞金ランク20位に入りシード権を獲得。昨年も36位で3年連続のシード権確保。所属はデンソー、契約クラブはヤマハ、ボールはタイトリスト、ウエアはMARK&LONA、シューズはecco。趣味は映画観賞。155センチ、55キロ。

取材・構成 川田和博

撮影 鈴木正人

協力 飯能グリーンCC(埼玉県・飯能市)