6日に開幕する国内女子ツアー、ニッポンハム・レディース(北海道・アンビックス函館倶楽部上礒GC)からシードを持たない選手たちの「イス取りゲーム」第2幕がスタートする。

 先月のツアー前半戦最後となるアース・モンダミン・カップ終了後、今年施行されたリランキング制度により、出場資格を得る選手が入れ替わった。最終予選会(QT)で上位に入れば、シードとともに年間出場がほぼ約束されていたが、今年は違う。開幕戦から17試合は昨年と同様に最終予選会(QT)でのランキングで出場権が与えられていたが、ニッポンハム・レディースからはシード選手を除いた17試合終了時点での賞金ランキングに変更された。

 第1回リランキングの1位は約3200万円を稼いだ勝みなみでQTランク26位からジャンプアップ。2位にはサイバーエージェント・レディースで初優勝を飾った新垣比菜、7位に小祝さくら、8位の松田鈴英と昨年プロテスト合格組の躍進が目立った。また推薦出場(8試合)のみだった横峯さくらは約1096万円を稼いで10位にランク。QT50位と苦戦していた原江里菜が13位、同60位だった諸見里しのぶも29位に浮上した。出場権を得られる目安となる40位以内には、第1回のリランキング時に300万円以上の賞金獲得が必要だったことも明確になった。

 一方で昨年のQTで1位通過した高橋恵は56位、同3位の田村亜矢も45位と、出場試合数が限定されそうな順位まで下がってしまった。開幕前、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の小林浩美会長が「(リランキング制度は)競争力が高まって、よりいいパフォーマンスが期待できる。1打に対するしがみつき方がガバッと出る。執念が選手から出ると思う」と期待していた通りのサバイバル戦の様相だ。9月のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン後に2回目のリランキングが行われ、再び開幕から稼いだ賞金ランキングでシャッフルされる。

 出場権確保には通年での調子の維持が求められるものの、1年続けて好調をキープすることは難しいだろう。日本人でただ1人のメジャー制覇を成し遂げているLPGA樋口久子相談役も開幕前に「今までは1年間の中でシードが取れるように頑張ればいいやとなっていたが、6月まで結果を出さないといけないのはきついでしょう」とシード外の選手の気持ちをおもんばかっていた。年間を通じ、どこに好調時期を持っていき、不調をカバーするのか。普通の調子の時にいかに好成績を残しておくか。すべて選手たちの腕にかかっている。女子プロたちによるガチンコの18年「夏の陣」は、例年以上にヒートアップしている。【藤中栄二】