女子ゴルフは、8月のAIG全英女子オープンを制した渋野日向子を中心に盛り上がりをみせているが、女子に負けじと男子は違ったアプローチでファンの獲得を狙っている。

9月2日に都内で会見が開かれ、20年7月8~12日、茨城・取手国際GC東西Cで「ゴルフパートナー・プロアマ」が開催されることが発表された。主催は総合ゴルフショップを全国で展開するゴルフパートナーで、プロがアマと4日間ともラウンドする形式。米ツアーではペブルビーチ・ナショナルプロアマなどが開催されているものの、国内では男女を通じて初の試みとなる。

「4日間、プロとアマでやることにすごく期待している。迫力、ホスピタリティー、いろいろとアマがプロの魅力に取りつかれるのでは」と話した日本ゴルフツアー機構(JGTO)の青木功会長は「結構、女子の方ばかりやられていますけれど男たちもできるんだということをやっているので広めていただきたい」と報道陣に向けてもイチオシ新大会として猛アピールした。

このゴルフパートナー・プロアマは、プロが通常の4日間大会としてプレー。並行してアマが8、9日にダブルス戦(120組240人)、10日の予備日を挟んで11、12日にスクラッチ戦(60人)に臨む。ラウンドはプロ、アマが2人ずつ計4人の組み合わせ。JGTO副会長を兼務する選手会会長の石川遼は米ツアー参戦時に同形式の大会出場経験があり「今から楽しみ。出場を目指すアマの方、日本のファンの方に楽しんでもらえるように、選手としてもできる限りのことをやりたい」と解説。プロがアマにアドバイスするシーンが多くありそうな新タイプの大会に期待感を示した。

大会開催は来年だが、アマが盛り上がる展開は目前に組まれている。本大会出場を目指すアマの予選会は11月から全国20会場で開催される。募集人数は2500人。ダブルス戦120組(240人)、スクラッチ戦60人の枠を懸けた熱い戦いがスタートする。青木会長は「ゴルフのファンやプレーヤーが増えると思ったので、ゴルフパートナーの社長にお願いしました。こういう楽しみ方があるということを伝えたい」と説明。このアマ予選会で新大会の認知度も広まりそうだ。

10月には日米両ツアー共催の新大会、ZOZOチャンピオンシップ(10月24~27日、千葉・習志野CC)が開催される。タイガー・ウッズ(米国)、松山英樹、ロリー・マキロイ(英国)らが参戦を表明し、石川の推薦出場も発表済み。プロとアマで国内男子の注目度がグッと高まるスケジュールが組まれる。青木会長は「私が会長になったら1試合でも2試合でも大会を増やそうと石川遼君と2人でやってきて、少しずつ浸透してきたことをうれしく思います」と手応えある笑みもこぼした。渋野効果で人気上昇中の女子とは違った展開で、男子も注目度を上げるチャンスを演出しつつある。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/ゴルフコラム「ピッチマーク」)