ツアー通算5勝の西郷真央(21=島津製作所)は、なぜそんなに急いでいるのだろう。前週の日本女子プロ選手権第1ラウンド。猛暑の中でラウンドを終えた後だった。疲れているはずだが、クラブハウス内を走って移動していた。午後スタートで、ホールアウトしたのが午後6時過ぎ。日没が迫り、徐々に暗くなりかけていた。日が暮れる前に少しでもショットやパットの練習をするため、急いでいるのかと思い込んでいた。予想とは異なり、クラブハウス前に止まっていた車に駆け込むように乗り込んだ。

翌日に理由が判明した。「睡眠時間をちゃんと確保したくて。寝たりないと、やっぱり疲労が全然抜けていない感じがしちゃうので、なるべく睡眠時間をしっかり取りたい」と明かした。第2ラウンドは午前8時25分スタートで、同5時に起床。そのため前夜は午後10時に就寝したという。睡眠時間について「マストは7時間半。8時間寝られるとちょうどいい」とした。

基本的には途中起きることなく、朝10分前くらいに目覚める。最大で12時間以上、ノンストップで寝ていたこともあるという。「体が痛くなっちゃうので、そこまでは寝ないようにしています」。普段から基本の睡眠時間をきっちり守っているようだ。

それだけでは走って帰るほどではないと思ったが、急ぐ理由がまだあった。「ホテルについてから急ぎすぎると逆に目が覚めるので、ボケボケしながら、やることの支度をしています」。神経を徐々に休めていくのか、ゆっくり支度する時間も必要だった。

睡眠は質にもこだわる。遠征先にはマイ枕とマイマットレスを持参する。特に枕はこだわって作ったものだ。「高さを測ってもらって、合わせてもらいました」と明かした。また、睡眠の質を高める効果があるとされる乳酸菌飲料「ヤクルト1000」を愛飲する。「めちゃくちゃいいです。車で(会場に)来る時は絶対持っていくようにしています。めちゃくちゃ寝られます」とした。

ただ寝るだけではなく、時間や質に徹底的にこだわる。すべてはゴルフのため。プロ意識をまさに体感した。走って移動する姿から睡眠へのこだわりを知る貴重な取材機会だった。【近藤由美子】