ゴルフの日米女子ツアー、TOTOジャパンクラシックで、稲見萌寧(24=Rakuten)が約1年3カ月ぶりの復活勝利を飾った。元賞金女王で、21年東京オリンピック(五輪)銀メダリストの実力者も、今季は思うような結果を残せず苦しんだ。それだけに優勝直後のインタビューでは「チームのみんなのおかげ」と、支えてくれた仲間たちに涙ながらに感謝した。

数週間前から稲見の“新チームメート”に加わったのが須藤大和パッティングコーチだ。大阪学院大在学中で、稲見よりも2歳年下の22歳。10月中旬の富士通レディースではキャディー兼コーチとして初同行した。稲見は「とても大きな存在。同じフェードヒッターで、読みやタッチも似たタイプ。今週も毎日来てもらって、パッティング練習も楽しくできるようになった」と新コーチの効果を実感。「私の感覚も大事にしてくれながら、第三者としてアドバイスを送り、選択肢を広げてくれる」とうなずく。

予選落ちが続いた時期には、「練習しても意味ないのではと思う時もあった」という苦悩も明かした。自分と同じような目線で助言を与えてくれる同年代の存在は、精神面においても大きかったようだ。

須藤コーチは愛知・岡崎城西高出身。大学生ながら、輝かしい実績を持つプロ選手の指導役を務めることについて「最初は理解が追いつかない部分もありそうだった」と振り返る。それでも「今はそういう戸惑いもなくなった。ちゃんとサポートしなければいけないので」と充実の表情。来春には経営学部を卒業予定。「単位の方は大丈夫です」とにこやかに話す。

日米共催大会を制したことで、稲見は来年の米ツアー出場権を手にした。参戦については、チームとも相談した上で決めたいと前置きしつつ「新しい未来が開いた」とも表現した。10日からは伊藤園レディース(千葉・グレートアイランドクラブ)に出場予定。信頼を寄せる仲間たちとともに、さらなる飛躍を期す。【奥岡幹浩】(ニッカンスポーツ・コム/ゴルフコラム「ピッチマーク」)

稲見萌寧のパッティングコーチを務める須藤氏
稲見萌寧のパッティングコーチを務める須藤氏
優勝インタビューで涙を流す稲見萌寧(2023年11月5日撮影)
優勝インタビューで涙を流す稲見萌寧(2023年11月5日撮影)