おはようございます!火曜日の朝、「せれにゃん塾」の時間です。塾長の青木瀬令奈です。暖かくなってきたので、ゴルフもかっ飛ばしていきましょう。今週は「ドライバーショット2~理論で飛ばせ~」です。理解してから試してくださいね。


シャフトを寝かせず立てるイメージ
シャフトを寝かせず立てるイメージ

■タテからアッパー

プロになって3年ほどしてからスイング改造した私。それで飛距離が30ヤード伸びた話は、前回しましたね。その時やったのが「タテからアッパー」ということでした。

まずは、アッパーブローとダウンブローについて、詳しく説明しますね。何となく、ダウンブローはクラブが縦に入ってきて、アッパーブローはクラブが寝て入ってくる、と思っている方もいるのではありませんか? そうではありません。クラブの最下点より手前でインパクトを迎え、下降軌道でボールを捉えるのがダウンブロー。逆に、クラブの最下点より後でインパクトを迎える。つまり、上昇軌道でボールを捉えるのがアッパーブローです。

私も分かっていたつもりなのに、間違っていました。もともとダウンスイングで右肩が前に出てしまい、その反動で手元が寝てしまう癖があったんです。アウトサイドからダウンブローになっていたんですね。これを直そうとして、おかしなことをしていました。

上からボールを打ち込み過ぎていると思い、下から打とうとしていた。これが間違いだとコーチに指摘されました。「逆だよ」と。身長が低い私は、特に長いクラブでは横振りになりやすい。重力もあってクラブが寝て入るから、開閉運動が強くなってしまいます。

けれども、ヘッドスピードを上げ、ボールが前に飛ぶようなスピンを得るためには左右に球がぶれない方がいい。横の動きではなく上下の動きで、ボールを捉えることで、ヘッドスピードは上がります。それなのに、下から打とうとしていたのでは逆効果だったのです。

ダウンスイングで右肩を前に出す悪癖を直すようにして、手元が寝ないようにしました。シャフトを後ろに寝かせるのではなく立てるようにして、腕も縦に振り下ろす。「タテからアッパー」のイメージをしっかりとつけるため、ティーアップは高く、左足の前。これでフックを打つ練習を続けました。

基本的にティーショットで使うドライバーは、ティーアップして打つことがほとんどです。私のスイングの基本は7番アイアンなのですが、ティーアップしている分、それとはちょっとスイングは変わってきます。トラックマンのデータを参考にしながら、一生懸命スイングを変えた結果、飛距離は30ヤード伸びました。おかげでこの15年に賞金ランキング27位で初シードを獲得し、17年ヨネックスレディースでは初優勝することができました。シード選手として戦い続けることができています。私のスイング改造、みなさんも参考にしてください。

◆青木瀬令奈(あおき・せれな)1993年(平5)2月8日生まれ、群馬県前橋市出身。実家は音楽教室で、瀬令奈は「セレナーデ(小夜曲)」から名付けられた。身長153センチ。ゴルフ好きの父について7歳でクラブを握る。小柄ながら小技が抜群で、2006年日刊アマ全日本女子に史上最年少の13歳で優勝。数々の実績をアマチュア時代に残している。11年プロ転向。17年ヨネックスレディースで初優勝。18年賞金ランキング31位。三和シヤッター工業所属。


 ◆取材構成=遠藤淳子(清流舎)

 ◆撮影=横山健太

 ◆取材協力=飯能グリーンCC(埼玉・飯能市)