北風ピープー吹きすさぶ、冬がそこまで迫ってまいりました。でも、それでも自然や四季を感じるのがゴルフの楽しさです。タケ小山(53)と一緒に、それを満喫しましょう。毎週火曜日好評連載中の「タケ小山のゴルフ即効薬~今週の処方箋」。テーマは「風と友達になる? それともケンカする?」です。人間関係だけじゃなく、自然とだって、どうやって付き合いたいのかをまず考えることから始めましょう。


風と友達になる? それともケンカする?
風と友達になる? それともケンカする?

 風の日のゴルフ、楽しいですよね。でも、難しい。アマチュアのみなさんは、どちらかというと雨の方を嫌がるようですが、プロは風が吹いた方が難しいことをよく知っている。方向も、強さも一定ではなく、コースレイアウトや地形によって、吹き方にクセがあるからです。この風を「読む」のが大事。ただやみくもにクラブを振っても、翻弄(ほんろう)されてしまいます。

 とはいえ、練習ラウンドを何度も重ねて情報を収集し、本番に臨むプロと違って、みなさんにできることは限られています。まず、大前提は「できないことはやめましょう(笑い)」。ま、これは風の中でのプレーに限ったことではありませんね。で、できることを精いっぱいする。

 まず、スタート前に、コース全体の風の流れを把握します。多くのコースでは、スコアカードの裏に書かれているコースレイアウト(最近はないこともあるので、できればプリントして持参する)に、全体の風の方向を大ざっぱに描き入れます。鉛筆で何本か矢印(→)を入れればいいんです。プレー中、自分がいる場所の風のベースを把握できますから。その上で、その時、その場の風を「読む」のです。

 地形による独特の風の流れというものがあります。キャディーさんやメンバーさんが一緒なら、それを教えてもらう。「ここは風の通り道」とか「このグリーンは山に風がぶつかるから、逆向きなんだ」というヤツです。


どうぞよろしく
どうぞよろしく
やんのかコラー
やんのかコラー

 また、ティーグラウンドで感じている風と、飛球線方向の風が違うのもよくある話。ピンフラッグのはためき方や、木々を観察する。先に打った人のボールの流され方を見るなどして判断しましょう。

 情報収集が終わったら、いよいよ決断です。風に流されるような球を打つのか、風にぶつけて戻ってくるようにするのか、風の下をくぐるような低い球を打つのかなどと考えるのです。ヨーロッパの選手などは強風のリンクスに慣れているから、これが実にうまい。タイガー・ウッズも「リンクスでプレーするのはイマジネーションをかき立てられて楽しい」とよく言っていました。

 さあ、あなたは風とどんなふうに付き合いますか?


今週の処方箋

Play with the wind! ~風と戯れろ~

【服用法】風の中でプレーするのは、ゴルフの醍醐味(だいごみ)。ピタリと読みが当たった時など、ぞくぞくしますよ。スコットランドのリンクスのように、同じ距離でも2番手、3番手クラブが違うのも楽しいものです。


 ◆タケ小山(こやま)本名・小山武明。1964年(昭39)7月7日、東京都生まれ。中大卒業後、プロゴルファーを目指して89年に渡米し、フロリダ州のゴルフ場所属プロとなる。米、カナダ、オーストラリア、アジアなどのツアーでプレー。07年に帰国し、日本ツアーに参戦。08年に早大大学院でスポーツマネジメントを学ぶ。ザ・ゴルフチャンネル、ゴルフネットワークなどでのトーナメント解説には定評がある。TBS系「サンデーモーニング」の「屋根裏のプロゴルファー」として知られる。InterFMの「Green Jacket」(土曜午前5~8時)、文化放送の「The News Masters TOKYO」(月~金曜午前7~9時)などに出演。


◆協力 ザ・インペリアルCC(茨城県稲敷市)

◆取材・構成 遠藤淳子(清流舎)

◆撮影 松本俊