クリスマスまであと少し! 街中はにぎやかで忙しい感じですが、毎週火曜日の好評連載「タケ小山のゴルフ即効薬~今週の処方箋」はいつも通りです。今週のテーマは「緊張(プレッシャー)とはうまく付き合おう」。ゴルフにはつきものの緊張を、どんな風にコントロールするのか。タケ小山(53)がお教えします。

緊張するのは当たり前
緊張するのは当たり前

 朝一番のティーショット、2オンを狙うセカンドショット、池越え、バンカー越えのアプローチ。勝負がかかったバーディーパットや入れればベストスコアのパーパット…。こうして挙げればキリがないほど、ゴルフには緊張する場面がつきものです。せっかくの場面でしびれてしまい、ミスをする。トッププロでも、そんなことは日常茶飯事です。勝負どころのティーショットを曲げる、大事なパットを打ち損じる…。メジャーのサンデーバックナインでボロボロになるトッププレーヤー。あれもまさに、緊張のなせる業です。でも、人間なのですから、それが当たり前。しかも、彼らには大きな名誉と大金がかかっています。

 では、みなさんのようなアマチュアはどうでしょうか? 競技ゴルフの場合は別として、たいていはそれほど何かがかかってなどいないはずです。せいぜい、自分のプライドやライバルとの勝負くらいのものでしょう? だったら、緊張を楽しんでみませんか?

 ゴルフでは300ヤードのドライバーショットも、30センチのショートパットも同じ1打です。18ホールのスコアが「78」でも「90」でも同じことです。どんなに大事な1打も、そのうちの同じ1打に過ぎません。そう思えば、前にも言ったように無謀なことをしなければ、そんなに緊張しないはずです。「大事な場面だからここは狙おう」とか「ここまで2オーバーでベストスコアを5打も更新しそうだからずっと慎重にいこう」なんて考えるのは無謀というもの。いつも通りのプレーをすればいいのです。ミスしたって18ホール中のたった1打。自分の腕前を考えてミスも受け入れられれば、緊張も減るはずです。 緊張する中で実力を発揮するのがプロゴルファー。たくさんのギャラリーの前で優勝争いをして、結果を出す。リーディングボードを見て優勝争いを意識しながら勝ってみせる。それでこそ本物です。レベルの差こそあれ、みなさんの場合も同じことです。「ベストスコアを更新しそう」なら、それを意識して、なおかつ、そのためにどうすればいいかを考える。できる限り確実な方法を選ぶのか、ミスも許容範囲としていつも通りのプレーをするのか。こんな風に、緊張(プレッシャー)と上手に付き合ってみてください。


今週の処方箋

Let’s enjoy 緊張!!

【服用法】緊張するのは当たり前。己を知れば怖くないったら怖くない~。


 ◆タケ小山(こやま)本名・小山武明。1964年(昭39)7月7日、東京都生まれ。中大卒業後、プロゴルファーを目指して89年に渡米し、フロリダ州のゴルフ場所属プロとなる。米、カナダ、オーストラリア、アジアなどのツアーでプレー。07年に帰国し、日本ツアーに参戦。08年に早大大学院でスポーツマネジメントを学ぶ。ザ・ゴルフチャンネル、ゴルフネットワークなどでのトーナメント解説には定評がある。TBS系「サンデーモーニング」の「屋根裏のプロゴルファー」として知られる。InterFMの「Green Jacket」(土曜午前5~8時)、文化放送の「The News Masters TOKYO」(月~金曜午前7~9時)などに出演。


◆協力 ザ・インペリアルCC(茨城県稲敷市)

◆取材・構成 遠藤淳子(清流舎)

◆撮影 松本俊 山崎安昭