ツアー初優勝を狙う堀琴音(20=東芝)が、首位と2打差4位の好スタートを切った。大会主催者のスタジオアリスとスポンサー契約を結ぶホステスプロとして4アンダー68をマーク。男女ツアー通算26勝をアシストした大溝雅教キャディー(50)の後押しも受け、頂点をうかがう。

 堀が最終18番で2メートルのパーパットを沈めた。この日のホール別難易度2位の難関をしのぎ、4アンダーを守った。大溝キャディーとグータッチしようと右手を伸ばすと…なんとパーを出された。思わぬジャンケンに負け、けらけら笑った。

 イライラすると、大溝氏が天然ボケをかましてくれる。かつて片山晋呉の賞金王や、小平智の昨年の日本オープン優勝を後押しした手腕にも助けられる。「大溝さんの人柄の良さ。本当に尊敬できます」。男女ツアーを渡り歩く名キャディーにバッグを任せ、文句なしのスタートを決めた。

 開幕から悩むパットで思い切った決断もした。順手だったグリップを、試合で初めて逆手、クロスハンドにした。中島敏雅コーチ(43)と相談、前日のプロアマ戦途中から試した。「試しに、という感じですが、引っ掛けるクセが出ないんです」。初優勝へ。心技体はもう整っている。【加藤裕一】