男子ツアー通算6勝の川岸良兼の次女、川岸史果(22=加賀電子)は初優勝に1打及ばなかった。

 初の最終日最終組で、バーディーは3番の1個だけ。強く舞う風のジャッジにも迷い、第2日は100%、第3日は88・9%だったパーオン率が、7度もグリーンを外して61・1%にとどまった。

 「自分で自分の首を絞めてしまうようなラウンドで、苦しかったです。昨日までと違って、アプローチの回数が増えた。グリーンを外した際のパーセーブの確率を上げていくのが、課題ですね」。最終18番パー5も、グリーンサイドまで第2打を運んだが、30ヤードのアプローチが強く入り、反対側のラフにこぼれ、バーディーを逃した。バーディーを奪い、優勝したアンと明暗が分かれた。

 ただ、ショットの馬力は相変わらずだ。この日のドライビング・ディスタンスは平均257・000ヤードで、同組のアンを13・5ヤード上回った。2日連続で同組だったアンが「すごい。本当にすごい。攻撃的で、私が10年大会で勝ったころのような雰囲気があった。『私もあんな時があったんだな』と思い出しちゃいました」と目を丸くした。

 タイ合宿中の父良兼も残念がった。ホールアウト後すぐ電話を入れた女子プロの母麻子に「1打どうにかならなかったのか」と嘆いた。麻子が「最終ホールまで並んでいた」と言うと「最終ホールか…」と諦めきれない様子だったという。

 50歳となり、4月からシニアデビューする良兼は「オレはオマエより絶対に稼ぐからね」と宣言しているとか。父の大人げなさ? に、母親に「何で上から言うかな…」とこぼしている川岸は負けられない。ツアーフル参戦の今季は賞金シードも目標の1つ。今大会の単独2位で一気に1056万円を稼いだ。敗れはしたが、幸先いいスタートを切ったのは間違いない。