世界ランク3位の松山英樹(25=LEXUS)は5バーディー、2ボギーの67で回って通算7アンダーの203で4位となり、首位との差を2打に縮めた。

 パーオン率100%を記録した前半だけで3バーディー。快調にトップへ迫ったが、グリーンを外した10、11番で連続ボギー。いずれも周辺のラフから巧みに寄せながら、1・5メートルほどのパーパットがカップの脇を抜けた。「(ラインは)全然、難しくない。何で外れたのか、ちょっと分からない」。小さくないダメージを受けても引きずらない。12番はピンに近いグリーン奥のラフから難しい下りのアプローチでパーセーブ。ティーショットを右の林に打ち込んだ13番も、第2打をレイアップした後、残り94ヤードからサンドウエッジで1・8メートルにつけて何とかしのいだ。

 「12、13(番)は連続ボギーになってもおかしくなかった。そこで踏みとどまれたのが良かった」。悪い流れをせき止めて迎えた14番は第2打を放った後、振り上げた9番アイアンをクルクルと回しながら収めた。今大会はなかなか見られなかった、感触が良かった時のしぐさだ。ピンそば2メートルに絡めてバーディー。17番も8メートルを沈めて連続ボギーの分を取り返してみせた。

 高まる周囲の期待とは裏腹に「優勝争いしている内容じゃない」というのが率直な自己評価。特にショットについては「まだ自信を持って打ててないというのがある。ただ、曲がり幅が少なくなってきているので、その部分は自信を持ってやれている。どっちなのか分からないな…まあ、どっちもですね(笑い)」と表現するのも難しいもどかしさを抱えている。

 そんな状況だからなのか、自らの内面に踏み込んだ。「(この位置にいることで)勝手に勝ちたい意識が入ってきて、ピンを狙っていきたい気持ちが強くなる。それはいいことなのかもしれないですけど、まだ(自分の求める)技術が伴ってきていない。それをどこまで抑えられるかで変わると思います」。その上でピンチの呼び水となった10番を「たぶん(ピンを狙う気持ちを)抑えられなかった」と戒めた。

 昨年10月のHSBCチャンピオンズに続く世界選手権シリーズ2勝目へ「この3日間と同じように、ゆっくり攻めることができたら」。心を制御し、ビッグタイトルをつかみにいく。