日本初開催となった米シニアツアーで名選手たちが力と技で魅了した。過去にアルコール依存症で苦しむなど“お騒がせ男”の顔も持つ飛ばし屋ジョン・デーリー(51=米国)は5バーディー、2ボギーの69で回り、3アンダーで首位と4打差の14位だった。

 招待選手をのぞく56人で米レギュラーツアー通算257勝。豪華な顔触れの中でデーリーの飛距離は群を抜いた。今季ドライビングディスタンスは299・9ヤードでシニアNO・1。359ヤードの14番パー4では、ドライバーショットを追い風に乗せてグリーンのすぐ手前までかっ飛ばし、悠々とバーディー。「あと2日ある。トップに追いつける位置にいるのはいいと思うよ」と自信をのぞかせた。

 キャディーを務めるのは婚約者のアナ・クラダキスさん。12月に自身5度目となる結婚を予定しているという。代名詞のド派手なウエアは、ファンでもある大リーグ、カージナルスの赤いパンツで決めた。「今、チームの成績が上がってきているからね。応援の意味でも着たんだ」。プレーの合間にはコーラでのどを潤し、たばこを吸ってリラックス。序盤の2番でパターヘッドが取れてしまうアクシデントも、競技委員に瞬間接着剤でくっつけてもらい、そこから5バーディーを奪った。「よく分からないけど、不思議なことが起きたよ」と豪快に笑い飛ばせるほど、ご機嫌だった

 第2日に向けたコメントを求められると「楽しむだけ!」。確かな実力とオンリーワンのキャラクターで日本のファンを楽しませる。【亀山泰宏】

 ◆ジョン・デーリー 1966年4月28日、米カリフォルニア州生まれ。アーカンソー大卒後、87年にプロ転向。91年全米プロで初優勝をメジャーVで飾り、新人王を獲得。95年全英オープンなどメジャー2勝を含む米ツアー通算5勝。16年からシニアツアーに参戦し、5月のインスペリティ招待でツアー初優勝。180センチ、100キロ。