現役最後の大会となる宮里藍(32=サントリー)が第2ラウンド(R)を通算1アンダー141で終え、予選通過を確実にした。首位と5打差の8位で出て3バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの73で回り、終了時は27位だった。全米女子プロゴルフ協会(LPGA)の公式SNSに掲載された「Ai(I) WILL MISS YOU!(藍がいなくなると寂しい)」とのメッセージを胸に秘めてプレーした。大会は14日の悪天候の影響で計54ホールに短縮。17日に決勝ラウンドが行われる。

 宮里は序盤はグリーンの傾斜に苦しんだ。1番はボギーとし、3番ではダブルボギー。後退しそうになった時、「すごく頭にきていた。私も人間なので。でもそれでは良くないから、別人になろうとしました」。すると5、7番とバーディーを奪取。後半は12番のボギーの後、13番ではピンまで8ヤード地点からチップインバーディー。17番ではボギーとした。スコアは落としたが「そこまで悪くないかな」と振り返った。

 第2Rのスタート前、心が揺れた。LPGAは公式SNSで、大勢のスタッフが「Ai(I) WILL MISS YOU!」と手書きの横断幕を掲げた写真を掲載した。いつもは「感傷的になったらプレーにならない」と話す宮里も、これを確認するとSNSに「#涙を堪(こら)えるのも」「#そろそろ限界かな」などとつづった。

 第1Rから仲間の後押しがあった。同じ沖縄出身で2学年上の上原は「同郷の誇り。彼女と過ごせる残り少ない時間を楽しみたい。可能性があるのなら同じ組で」と言った。宮里と同組で、左手首痛の悪化で途中棄権したポーラ・クリーマー(米国)も「できれば最後まで一緒に回りたかった。アイには最高の結果を残して欲しい」と涙ながらにエールを残した。この日はコースに約100人の日本人が応援に駆けつけた。

 首位との差は開いた。「明日は、スコアも順位も関係ない。無心で自分のゴルフをやりたい」。残り1R。すべての力を注ぐ。【益子浩一】