今大会で現役を引退する宮里藍(32=サントリー)が通算1オーバーの32位で、現役最後の競技を終えた。

 観客から拍手で迎えられた18番グリーンでは目を潤ませ、1メートル強のパーパットを決めてラウンドを終えると歓声を浴びた。「最後のラウンドで気持ち的に難しい部分もあった。いろいろな方に支えられ(競技人生を)完走できた。いい時間を過ごせた。真摯(しんし)にゴルフと向き合えた」。

 宮里は花束を受け取り、待っていたかつてのライバル選手や長年ペアを組んだキャディーらと抱擁し、別れを惜しんだ。

 16日の第2ラウンドは苦戦しながらも「怒ってもいいことはない。別人になるつもりで気持ちを切り替えられた」と踏ん張り、予選を通過してほっとした様子をのぞかせた。日本からの応援ツアーが企画され、近隣の国からも日本人ファンがコースを訪れた。「例年よりたくさんの人に見てもらえて、本当にうれしい」と、笑顔で語った。

 16日夜には引退のセレモニーがコース近くのホテルで行われ、黒いドレス姿で登場した。トップ合格した2005年の最終予選会からの軌跡が映像で紹介され、花束を受け取った。壇上では流ちょうな英語でスピーチしたが、仲の良い選手たちを目の前に「素晴らしい仲間たち」と口にすると言葉に詰まり、涙を浮かべる場面もあった。

 また上原彩子は通算4アンダーの10位、野村敏京は宮里藍と並び1オーバーの32位だった。