1打差で今季4勝目を逃した池田勇太(31=フリー)が、自らのふがいなさに激怒した。最終18番で、結果的に沈めていればプレーオフ(PO)に持ち込めた1メートル弱のバーディーパットを外して2位。「2位もビリも一緒だ」と言い放った。首位と6打差6位から67の好スコアで猛追も1歩及ばず、賞金ランクトップ浮上も逃した。C・キム(27=米国)が通算6アンダーの278で今季3勝目を挙げ、賞金王争いで首位に立った。

 明らかに怒っていた。ぶつけどころのない自分へのいら立ちを抑えようともせず、池田は顔を硬直させながら吐き捨てるように言った。「2位もビリも一緒だ! 勝たなきゃ意味がないんだ!」。沖縄の透き通るような青い空も、エメラルドグリーンの海も目に入らない。18番の光景だけが、頭から離れなかった。

 首位と2打差で迎えた最終ホール。バンカーからピンそば1メートル弱につけ、バーディーを奪えば1打差に迫り重圧をかけることができた。その直前に首位を並走していた宋永漢が崩れ、C・キムも伸ばしきれない状態が続く。池田がバーディーさえ奪えば、PO突入の予感はあった。だからこそ何度もラインを読んだ。それが過度の緊張となり、手元が狂ったのだろう。悔しさから、我を忘れたかのようにぶちまけた。

 「あれを入れられないんだから、話にならないんだよ! 今は勝つことが一番。哀れなパットを打っているようでは、話にならん。勝てたかもしれない試合で、勝てないんだからな」

 今季4勝目も賞金ランクトップ浮上も逃した。64位に終わった前週から一気に優勝争いを繰り広げたが、わずかの差でV逸。2年連続賞金王へ、気の抜けない戦いは続く。【益子浩一】