9月に現役を引退した女子ゴルフの宮里藍さん(32)のキャリアを振り返る「ノンフィクションW 宮里藍、本人が語る! “ゴルフ人生”」(12月10日午後9時からWOWOWプライム)のインタビュー収録が6日に都内で行われ、メジャー通算7勝のカリー・ウェブ(42=オーストラリア)が出席した。

 お互いを「ウェブ先生」「アイチャン」と呼び合う親しい間柄。藍さんとの思い出として真っ先に挙げたのが、05年ANGレディース(オーストラリア)。当時19歳だった藍さんはすでにメジャーを6度制していたウェブとの優勝争いの末に2位となった。そして、09年に藍さんが米ツアー初優勝を飾ったエビアンマスターズ(フランス)。「私も18番グリーンに祝福にいったことが思い出深いです。彼女が背負っていたものは大きかった。その重圧から解き放たれた瞬間。あれが転機となって、そこからものすごい活躍をしたというイメージをもっています」と懐かしんだ。

 引退を表明した時のことを「ツアーのみんなが悲しんでいた。世界のトップを争うライバルからも、ツアーカードを保持するために頑張っている(若手や経験の浅い)選手からも、全ての選手から愛されていた存在だから」と振り返り、影響力の大きさを証言。「素晴らしいキャリア。(日本人としては)岡本綾子さん以来の戦績だと思う。他に挑戦した選手との差を挙げるのであれば、彼女は日本でプレーするだけでなく、最初から世界の最高レベルで戦うことに照準を合わせていたと思う。そして、他の選手にとってハードルになりやすい語学のコミュニケーション、現地の風習や文化に溶け込むということに対して、彼女は本当に努力した」と敬意を表した。

 今後について「まずはしばらく休んでほしい」と気遣った上で「できればゴルフ界に携わってほしい。今後出てくる日本の若い才能にとって必要不可欠な存在だと思う」と育成面での活躍を期待。最後は「これからも良い関係で、また巡り合わせがあることを祈っています。日本式で言うと先輩を敬うという文化があると思うので、彼女の方からマメに私に連絡してきてほしい(笑い)」と仲の良さをうかがわせるエールを送っていた。