今季ツアー1勝の川岸史果(23=加賀電子)が首位と4打差の2位に浮上した。4アンダーの4位から出ると4バーディー、1ボギーの69で回り、通算7アンダー137。今季2勝目、本格参戦1年目の1億円突破、そして逆転の賞金女王に望みをつないだ。

 力強いドライバーショットが強風を突き抜けた。1番でバーディー発進した川岸は4番パー4(422ヤード)で中弾道の第1打を放った。向かい風で残り155ヤード地点まで飛ばした。主に他選手がウッドを手にした第2打で5番アイアンを選択。ピン奥10メートルにつけてバーディーパットを沈め、ぐっと勢いづいた。

 「ドライバーで風に強い中弾道の技術が身についているので気にならなかった。アゲンストの時に5~6回は打ちました」

 高校時代から練習開始したという中弾道ショットは昨年のプロテスト前に敢行した台湾遠征などの経験でも養われた。今大会の総距離はツアー歴代2位の6741ヤード(88年ツアー制度施行後)に設定されたが「(中弾道は)滞空時間も長く、飛距離が出る。うまく転がって飛んだりします」。ツアー6勝の父良兼譲りの飛距離と高いショット技術が躍進の原動力だった。

 獲得賞金は約7564万円で賞金ランク7位。日本人では04年宮里藍以来となる本格参戦1年目での1億円超えを目標に掲げる。数字的には今大会で単独2位以上、残り2戦連勝で賞金女王の可能性も残る。首位とは4打差。「福田さんも緊張すると思う。優勝を狙います」と自信をのぞかせた。【藤中栄二】