賞金ランキング2位の「スマイル・クイーン」キム・ハヌル(28=韓国)が首位と2打差となる2アンダーの4位で発進した。最終組で賞金ランク1位の鈴木愛(23)と緊張感を漂わせながらプレー。5バーディー、3ボギーの70で回り、1アンダーで7位発進の鈴木との直接対決をまずは制して大会連覇へ、好スタートを切った。賞金ランク5位のテレサ・ルー(30=台湾)が4アンダーで単独首位に立った。

 ピリピリムードの中、何度もロングパットを成功させた。1番でバーディー発進したハヌルは3番で7メートル、4番では約10メートル、6番でも7メートルと長いラインを読み切った。最終組で回る賞金ランク1位の鈴木を横目に「前半は自分が思ったようにうまくいきました」。一時は6打差まで広げた。

 後半は平均風速6・2メートルという日向灘の強風にあおられてスコアを落としたが、ライバルとの直接対決は1打差をつけての“先勝”。プレー後、3ボギーを許せずに表情をこわばらせたものの、自身の愛称を思い出し「笑顔になった方がいい。あきらめずに頑張ろう」と言い聞かせたという。首位とは2打差の4位。「差が開いていない。まだ3日間、残っているので良い位置だと思います」と前向きな笑顔をみせた。

 今週はギャラリーの後押しがある。ハングルで「スマイル・クイーン キム・ハヌル」と記された特製カチューシャを着けたファンが数十人、会場に駆けつけた。3週前の韓国ツアー参戦時に500個ほど製作されたものだという。「韓国からの応援団、日本のファンも宮崎まで来ていただいて元気が出ました」とハヌル。大会連覇が絶対条件の賞金女王ゲットへ、静かに燃えていた。【藤中栄二】