男子ゴルフの今季最終戦、日本シリーズJT杯(30日開幕、東京よみうりCC)のプロアマ戦が29日、同コースで行われた。

 賞金ランクトップの小平智(28=Admiral)は、かねて年末の世界ランク50位入りによるマスターズ初出場が目標と言い続けてきた。現在世界ランク53位。2週後のアジアツアー最終戦、インドネシア・マスターズに出てポイントを稼ぐことも考えており、ターゲットの優先順位に変更はないが「ここまで来てこの位置なら(賞金王を)取りたいなという欲が少しだけ出てきた」と話す。

 昨年大会は最終日の最終18番でボギーをたたき、1打差の2位だったこともあり「(宮里)優作さんも(池田)勇太さんもチャン・キムも調子がいいので、楽には勝たせてもらえないと思いますけど、去年のリベンジを果たして、マスターズに行けて賞金王になれるのが一番」。ライバルたちとの競り合いを制し、夢舞台を引き寄せるのが最高のシナリオだ。

 オーガスタは、もう小平1人だけの憧れではない。3月に結婚した元賞金女王の古閑美保(35)との夫婦間でもマスターズが話題に上ることが多いという。「女子では行けない試合なので、そこは見てみたい、と。賞金王については全然、言われないですけど。決まれば、100%(マスターズへ)一緒に行くと思いますよ」と笑う。

 古閑は今大会も応援に駆けつけてくれる予定。すでにそのおかげで心強いサポートを得ている。今季終盤から専属トレーナー不在で戦っていたが、今週は古閑と同郷で仲のいい笠りつ子(30)のトレーナーを務める前嶋祐輔氏がスポット参戦でケアを担当。12月1日に開幕する日本・韓国・欧州・豪州対抗戦のザ・クイーンズ(愛知・三好CC)に出場する笠が、小平のサポートのため快くトレーナーを“貸し出し”てくれたという。

 小平を追う3人は逆転賞金王には勝つしかない。大きくリードしている状況にも、夢を実現するべく頂点だけを見据えて戦う。