今夏のプロテストを合格した勝みなみ(19=フリー)が、来季前半戦のツアー出場権をほぼ確保した。11位から出て2バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの74で回り、通算1アンダーの26位。30位前後に入れば来季前半戦のほぼ全試合に出場できる見込みだが、最終18番でダブルボギーをたたいた勝は、出場権を逃したと勘違いして号泣。その後、吉報を聞いてまた泣いた。同期の新垣比菜(18)は遅延の2罰打が響き45位に終わった。

 みなみちゃんが人目をはばからずに泣いた。通算3アンダーで迎えた最終18番。ティーショットがカート道にはねる不運でまさかのOB。これが響いてダブルボギーをたたいた。QT突破の目安は通算イーブンパー前後とみられていた。同1アンダーで終えた勝は、30位前後に入れなかったと勘違い。号泣しながら取材を受け、直後に20位台をキープしたことを知ると、喜びすぎてまた泣いた。

 「うれしいのか悔しいのかよく分からない涙です。(18番で)風に持って行かれてOBになって、頭が真っ白になった。自分で(順位を)数えたら35位くらい。これはまずいぞとなった。とりあえず、来年出られるならなんでもいいです」

 泣いて、笑って、また泣いてと大忙し。それほど重圧がかかっていた。今夏のプロテストに合格した勝、新垣比菜、小祝さくら、松田鈴英らは黄金世代と呼ばれる。その筆頭格が14年4月のKKT杯バンテリンレディースで、史上4人目となるアマチュアでのツアー優勝を果たした勝だった。小祝が9位、松田は18位で今QTを突破。負けるわけにはいかなかった。

 「足りないところがハッキリ分かりました。メンタルが弱い。日頃から気持ちをコントロールして、来年は鉄人の自分を見せたい。心を入れ替えます。早く2勝目を挙げることが目標」

 泣きながら取材のテレビ撮影をしたため「撮り直してもらえますか」と異例のお願い。最後は「よかった~」と最高の笑顔だった。【益子浩一】

 ◆QT(クオリファイング・トーナメント=予選会) 1次からファイナルまで4回にわたって絞り込まれ、賞金シード権を持たない選手に翌年度のツアー優先出場順位を決める。来季は今QTの30位前後までが前半戦(6月第4週)の出場権を得られるが、人数が確定しないのは試合ごとにQTの出場枠が違うため。今季の賞金ランク50位までの選手は来季シード権を保持し、来季導入のリランキング制により51~55位までの選手は、QT上位者と同様に前半戦の出場権を得る。