アーノルド・パーマー以来となる大会史上2人目の3連覇を狙う松山英樹(25=LEXUS)は5バーディー、3ボギーの69で回り、2アンダーで首位と5打差の29位発進となった。

 前半は2つのパー5をきっちり取ってスコアを伸ばした。折り返して1、2番で連続ボギーも、3番パー5はユーティリティーで2オンに成功して2パットバーディー。5、9番はいずれも9番アイアンの第2打をピンに絡めてバーディーとした。「もっと悪いのを想像してプレーしていたら、意外とショットもフェアウエーにいきましたし、パットも入らなかったですけど(ストローク自体は)いいパッティングができたかなと思います」と振り返った。

 アクシデントを乗り越えてのアンダーパーだった。最初のバーディーを奪った13番のティーグラウンドで左手親指に痛みが走り、14番へ向かう前に飯田光輝トレーナーに治療してもらった。14番のティーショットを打ち終えると、患部周辺にテーピングのような処置を施した。「痛いですよ」。ショットへの影響は決して小さくないようだが「痛いのを我慢して打つしかないので、我慢して打ってるだけです」と気丈に言った。

 1年前も首に違和感を抱えながらプレーするなど、必ずしも万全ではない中で過去2大会を勝ってきた。「できればやめたいですよ」と苦笑するコンディションだが、3連覇という偉業達成への闘志は消えない。ホールアウト後はパッティンググリーンで入念にボールを転がした後、ドライビングレンジへ。ウッド系は軽めのショット1、2球にとどめるなど20球ほど打ち、痛みの出方を確認した。

 「自分の状態が上がればビッグスコアも出せるような雰囲気はありますし、上がらなければ上位にもいけないような感じ。今日のショットだったら、結構チャンスにもつけられるというのがあるので、パット次第かなと思います」。動じることなく、逆転のシナリオだけを見据えている。