6年ぶり2度目の優勝を狙う木戸愛(28=ゼンリン)が、6位に浮上してV争いに加わった。12位から出て6バーディー、2ボギーの68で回り、通算3アンダーの141で首位と4打差。宮城・東北高出身で、東日本大震災から丸7年を迎える今日11日の最終日へ「被災地にいいニュースを届けたい」と誓った。アン・ソンジュ(30=韓国)が通算7アンダーで単独首位、横峯さくら(32)は2打差で2位をキープした。

 春の気配を感じる高知で、木戸が優勝争いに加わってきた。序盤の2番パー3、3番パー5で連続バーディーを奪って勢いに乗った。前後半3つずつバーディーを重ね、ボギーは2つ。今季2戦目で初のアンダーパー68で回り、通算3アンダーで6位浮上。4打差で追う首位の背中が見えた。「インパクトがまちまちだったので、集中して練習をしました。自分のゴルフができた」。充実した笑顔を見せた。

 神奈川生まれだが、高校時代を名門・東北高で過ごした。「あの3年がなければ今の私はいない。いい時間を過ごさせてもらった」。第2の故郷を襲った11年の東日本大震災。あの日、木戸は今大会と同じ土佐湾を望むコースで第1日を終えていた。津波は遠く高知にも及び、避難勧告が出された。選手、観客は高台のコースに午後8時まで閉じこめられ大会は中止。被災地を思い、不安で過ごした時間は忘れられない。だからこそ「いいニュースを届けたい」と心から言った。12年以来2度目の優勝を目指し、今日11日の最終日を迎える。【益子浩一】