左手親指付け根の痛みから復帰した松山英樹(26=LEXUS)が故障の不安を払拭(ふっしょく)する好スタートを切った。2月初旬のフェニックス・オープン途中棄権以来、6週間ぶりのツアー出場。1イーグル、3バーディー、3ボギーの70で回り、首位と6打差の22位で発進した。同組で回った前週2位のタイガー・ウッズ(米国)は4アンダーの7位。通算8アンダーでヘンリク・ステンソン(スウェーデン)が首位に立った。

 豪華な顔ぶれで復帰戦ラウンドに臨んだ松山が順調に滑り出した。通算79勝を誇るウッズ、通算11勝の元世界ランク1位デー(オーストラリア)と同組。大勢のギャラリーを引き連れ「本音を言えば、もっと静かなところで回りたいですよね」と苦笑いを浮かべながらも「こういうメンバーで回れたからこそ、こうやって良いプレーもできたと思う」と手応えを口にした。

 インスタートの前半16番パー5では、残り200ヤードを7番アイアンでピン5メートルへと2オンに成功した。フックラインを読み切ってイーグルを奪い「あの3打は完璧でした」と自画自賛。パー5のホールはすべてバーディー以上で、計26パットとパターの感触も良かった。1月のファーマーズ・インシュアランス・オープンでも同組で回ったウッズの好プレーを見つめ「かなりショートゲームもアイアンも仕上がっている」と触発されたようだった。

 4週後にはマスターズが控える。その「前哨戦」とも言える今大会で、左手故障の不安がなくなっていることも大きな収穫だった。国内で精密検査を受け、再渡米後に練習を再開。「変わらず痛みは出なかった。いつ出るか分からないという不安はありますけど、きょうは出なかったし、良い感じかな」と安堵(あんど)の表情も浮かべた。居残り練習に足を向け、第2日に備えた松山は「ショットは修正したらもっといい状態になると思う。いいプレーをしたい」と集中力を持続していた。