【オースティン=亀山泰宏】世界ランク6位の松山英樹(26=LEXUS)が、昨季日本ツアー賞金王の宮里優作(37)を2アンド1で破って白星発進した。中盤からアイアンショットがさえ、東北福祉大の先輩相手に世界トップクラスの貫禄を示した。池田勇太(32)は大会4度目の出場で初勝利、小平智(28)は黒星スタートとなった。1次リーグは出場64選手が4人ずつの16組に分かれて総当たり戦を行い、各組1位が決勝トーナメントに進む。

 松山は「試合で2サムで回ったことはなかったですし、そういう意味では、すごく面白かったです。(宮里優が)いいパッティングもしていましたし、ずっとドキドキしながら回ってました」と対戦を楽しみながらも、ボギーなしでまとめて勝ちきった。朝の練習場では上下を黒でそろえたウエアが「かぶった」と笑い合い、スタート前のティーグラウンドで会話も弾んだ。

 和やかな雰囲気から始まった真剣勝負。パットがさえた宮里優に先行されるも、7番から3連続で取ってリードを奪った。9番は第2打をピンそば30センチにつけ、先輩から“OK”をもらうバーディー。「8番9番くらいからいいショットが打てた」。9番以降、勝負を決めた17番までの9ホールで6バーディーを量産した。

 左手親指付け根の痛みから復帰2戦目。練習場で最後の1人になるまで打ち込むのも珍しくなかった負傷前より球数を抑えているが「打てないからといって、ストレスになるようなことはない」と、今できることに集中している。「久々にアイアンショットが良かったですし、そういう意味では満足度は結構、高い」とした上で、2週間後にマスターズ(ジョージア州)を控える男は表情を引き締める。「つかみつつあるものをしっかりものにできるように」とテーマを掲げた。