7度目の出場となった世界ランク8位の松山英樹(26=LEXUS)は4バーディー、1ボギーの69で回り、通算3アンダーの285で19位だった。

 2番パー5で今大会初めてバーディーを奪うと、続く3番もティーショットはアイアンで刻み、第2打をピンに絡めて連続バーディー。4番はバンカーからボギーとしたが、5番で10メートルを沈めてすぐに取り返した。最終18番はティーショットを右の林に打ち込んだが「あそこしかない」というわずかな隙間をピンポイントで抜き、ナイスパーで締めた。

 シーズンの大目標でもある試合を終え、素直な思いを口にした。「よく頑張ったなという感じです。こんなショットと、アプローチとパター。全てが悪い状況で、よく4日間できましたし、そこは良かったなと思います」。状態が上がらず、練習ラウンドの時点では、予選落ちも覚悟していたという。「4日間できるというのは、想像していなかった。かたや、できるんじゃないかという自分もいましたけど…」。秘めた葛藤があった。

 2月に左手親指を痛めた。調整への影響は「関係ないと思います。ケガをした時点で、ここまでのスケジュールとかも考えてやっていた」と強く否定。その上で「調整(の成否)は結果でしか(判断されない)。成功と失敗は、本人の中でしか分からない部分がある。結果だけ見れば、失敗なんですけど…」。状態を上げきれなかった事実を受け止めた。

 記者の質問に答える合間、まだ半分ほどしか成績が埋まっていないリーダーボードに目をやった。「勝てなかった時点で、それ(悔い)はありますよ。最終組が、まだ9番くらいを回っているところで、こうやってインタビューを受けるような状況じゃ、到底納得はできないですよね」。どんな状況でも「優勝」という目標を下げることだけはしなかった。

 マスターズ後は2、3週間ほどは試合から離れるのがルーティン。今回は少し痛みが出てきた左手親指を休める意味も兼ねることになる。「悪いショットがたまたまフェアウエーにいったり、ホント小手先ゴルフで、よくここまでやっていると思う。しっかりとしたものをつくらないと、ここでは勝てない。あらためて、それが分かった。痛みが出ないようなトレーニングとか、いろいろ考えることもあるので、それをちゃんと消化してから試合に出たい」。この悔しさが、松山をメジャー制覇にまた1歩近づける。