藤本佳則(28=国際スポーツ振興協会)は5年ぶりの優勝に1歩及ばなかった。

 単独首位から出て3バーディー、3ボギーの72で回り、通算6アンダーの282でホールアウト。

 最終18番は目の前で谷口徹(50)にバーディーパットを決められて追いつかれた。「入れてくるだろうと思っていたので、驚きはなかったですね」。心を揺らすことなく臨んだプレーオフはティーショットが乱れた。1ホール目は左の急斜面へ引っかけ、2ホール目も右のロープ外へ。必死のリカバリーを見せたが、バーディーを奪えなかった。「仕方ないですね」と淡々と受け入れた。

 「上がりでパットを決めてくるのが谷口さんの持ち味。本当に強い選手はああいうところで決めてくる。見習わないといけない」と大ベテランの勝負強さに脱帽。一方で前週まで2試合連続予選落ちと苦しんでいたシーズン序盤に光が差してきた感覚はある。「ショットは本調子ではないですけど、このセッティングの中、このスコアで回れている。今日の(雨と風の)コンディションでもオーバーパーもしてないですし、1つ、今後に向けてつながると思う」と前を向いた。