昨季賞金女王の鈴木愛(24=セールスフォース)が、母の日に今季3勝目となる大会2連覇を達成した。首位から出て強雨にも苦しめられ、一時はV争いをした菊地絵理香(29)に2打差をつけられた。3人が並んだ最終18番でバーディーを奪い、通算8アンダーの208で完全優勝。8戦目での3勝は、記録の残る88年以降では史上3番目のスピード勝利。2年連続の賞金女王へ急加速した。

 3人が並んで迎えた18番パー5。鈴木の3打目がピン側にピタリとついた瞬間、同組の菊地、ホールアウトしていたアン・ソンジュはV逸を確信した。強雨に打たれながら、鈴木は1メートルのバーディーパットを沈める。15番で菊地に2打差をつけられながらの逆転劇。今季8戦目での3勝は、ツアー制に移行し記録が残る88年以降では、90年高須愛子の6戦、07年全美貞の7戦に続く早さだ。賞金額も2位以下を突き放し早くも7000万円に到達した。

 「今までで一番苦しかった。絶望的だと思っていたのを逆転できた。初優勝と同じくらい忘れられない」

 昨年に続き母の日に勝った。母美江さん(47)は「賞金女王になってから、悪い成績は嫌みたい。自覚ができた」と娘を見つめた。今季8戦で3強入りを逃したのは1度しかない。誰より練習量は多いため左膝、左手首は悲鳴を上げており「これ以上悪くなればお休みをしないと」。次の目標となる全米女子オープン(31日開幕)へ、照準を合わせた。【益子浩一】