プロ4年目の岡山絵里(21=ニトリ)が、涙のツアー初優勝を飾った。第1日から1度も首位を譲らないまま、通算13アンダーの203で並んだ新人の勝みなみ(19)とのプレーオフ(PO)に突入。その第1ホールでパー、勝がボギーとなり、初勝利をつかんだ。賞金ランクでも7位に浮上。努力を重ねた寡黙な大阪人がうれし涙を流した。勝はプロ転向後初となる通算2勝目を逃した。

 優勝を決めるPOのパーパットを沈めた瞬間、岡山の脳裏にこれまでの苦労が浮かんできた。15年夏にプロテストに合格しすぐに下部ツアーで優勝。16年7月には優勝争いの末に2位になった。いつ勝ってもおかしくない。期待は重圧になった。人見知りで「ほとんど話したことがない」という昨季賞金女王の鈴木愛に、パターを教えてもらうため頭を下げたこともある。

 「自分がどんどん落ちていくと思った。優勝できないとズルズルいく。勝負の年と言い聞かせていた」

 4人兄妹の末っ子。母敬子さんはPOに突入すると「見ていられない」と客席の裏に隠れた。歓声で優勝したことを知った母は「一番の甘えたが、一番厳しい世界でやっている。すごい」と感極まった。岡山は「私は弱気。自分に自信を持って、たくさんバーディーが取れる選手になりたい」とどこまでも謙虚だった。【益子浩一】