昨年の賞金女王、鈴木愛(24=セールスフォース)が日韓台の実力者対決を制し、今季4勝目、通算9勝目を挙げた。9アンダーで並んだ申ジエ(30=韓国)テレサ・ルー(30=台湾)とのプレーオフ。直接対決となった2ホール目で申を破り優勝を決めた。前半戦で4勝し、2年連続賞金女王へも前進。

 鈴木は日本を背負って戦った。「お客さんに『やっぱり日本の選手負けたか』と言われたくなかった」と、この大会3連覇の申、昨年優勝のルーを相手に、2ホールに及ぶプレーオフを勝ち切った。「日本、台湾、韓国の中で、日本が一番強かったと見せられた」。過去8回中7回の優勝が外国人というコースで、賞金女王の力を見せつけた。

 全米オープンの予選落ち、万全ではない左膝痛を引きずって今大会に臨んでいた。プレーオフに入った瞬間、前週のサントリー・レディースでプレーオフの末勝利した成田美寿々の「プレーオフは勝つか負けるか」の言葉を思い出した。「今までは自信なさそうにプレーしていたが成田さんを見て気合をもらった」と過去1勝4敗だったプレーオフでの勝利につなげた。

 賞金女王になった昨年の優勝回数2回を、前半戦だけで倍増させた。優勝賞金も、1億円の大台突破へ約1000万円弱と迫っている。国内では無敵だからこそ、ゴルフ強国の韓国人選手には人一倍の闘志を燃やす。サッカー・ワールドカップの日本代表に刺激を受けるという鈴木は「日本代表として、海外より国内でやる大会には負けたくない」と負けん気をのぞかせた。【桝田朗】