首位タイから出た石川遼(26=CASIO)は3バーディー、ノーボギーの69で回り、通算17アンダーの271で3位となり、2年ぶりの優勝を逃した。

 前半は9つのパーが並んだ。“異変”を感じたのは7番グリーン。「いいパットを打って、左に外れて、何かおかしいなという感じだった。振り返ると、全部左に外れているなと」。続く8番、2メートルのパーパットを真っすぐのラインと読んだが、佐藤賢和キャディーに聞くと首を振られた。「(狙いは)カップの右端」。相棒の言葉通りにフックラインのパーパットを沈め「最初からラインを左に取っているんだ」と気付くことができた。

 その“気付き”が、3メートルのパーパットを沈めた10、11番、そして12番からの3連続バーディーにつながっていく。時間を要したグリーン上の修正とともに悔やんだのが、10番と16番の第2打。10番は6番アイアン、16番は52度のウエッジで「それほど難しくないショットを、思い切り右にミスした」と自らにダメ出しした。

 2年ぶりの優勝に届かなかった悔しさをにじませる中で手応えを感じ取ったのがロングゲーム。ドライバー、3番ウッド、2番アイアンといった長いクラブについて「今年の中では一番充実した内容」とうなずく。ドローからストレートボールへ球筋を変えるトライによって「スピンが入った球が打てるようになってきた」と違いを語った。

 東北では初となるツアー出場。最終日のギャラリーは前年に比べ1843人増の4043人を記録するなど、大会4日間を通じて4790人増の1万2003人が会場に詰め掛けた。「新鮮でしたね。47都道府県でとは言いませんが、全国でやりたいですよね。言うだけじゃ意味がないので、自分で動かないと。やっと大会が来たかと地元の人に思ってもらえるトーナメントを増やしたいですね」と、選手会長目線での総括も付け加えた。