畑岡奈紗(19=森ビル)が4バーディー、4ボギーの72で回り、通算3アンダーの141でスタート時の首位と3打差を維持しつつ8位に順位を上げた。前週米ツアー日本人最年少Vを飾った勢いのまま、メジャーでも優勝争いに名乗りを上げる。柳簫然(28)朴城■(24)の韓国勢とブルック・ヘンダーソン(20=カナダ)が6アンダーで首位。上原彩子(34)は2オーバーの54位、横峯さくら(32)は3オーバーの64位で決勝ラウンド進出。野村敏京(25)は9オーバーの124位で予選落ちした。

 畑岡は風が吹くシビアな条件にも崩れなかった。4番はティーショットを右の池に入れながら、4メートルをねじ込むナイスパー。木の下に打ち込んだ9番も1・5メートルを沈めてしのいだ。難関の上がり3ホールは、ボギー直後の18番で5メートルを決めてガッツポーズ。「風が吹く中でオーバーしなかったのは、最低ラインとして良かった。ビッグトーナメントで予選を通るとすごく大きい」と、パープレーで乗り切った1日を評価した。

 3番ではあと少しで今季3度目のホールインワンという場面もありつつ、全体に乱れがちなショットをグリーン上でカバーした。2日間の合計パット数55は全体15位。パーオンしたホールの平均パット数1・64は同5位につける。

 快挙から一夜明けた25日、母博美さん、宮里藍さんの夫で現在畑岡のサポートも務める座親匠さんと3人で出かけた。「カニのおいしいお店に連れていってもらいました。カニ、好きなんです」。コース内外で適応に苦しんだ昨季は食事を楽しむ余裕すらなかった。自らの成長と周囲の支えが合わさり、心のゆとりすら感じさせる。

 現地メディアの注目度も上昇。この日は米スポーツ専門局ESPNの記者から取材を申し込まれた。「まだまだ詰められない差ではないと思う。ミスジャッジだけはしないように、チャンスをしっかり決めていきたい」。トップグループには元世界ランク1位の柳、昨季賞金女王の朴、16年にこの大会を18歳で制したヘンダーソンと強豪が並ぶ。今季賞金ランク5位の安定感、何より直近の試合を勝った勢いなら畑岡も負けていない。

※■は火ヘンに玄