重永亜斗夢(29=ホームテック)が2イーグル、2バーディー、1ダブルボギーの68で回り、通算6アンダーの210で7位となり、ツアー初優勝を飾った4月の東建ホームメイト杯以来となるトップ10に入った。

 「絶不調。今年で一番ひどい」と嘆くショットの状態ながら、後半だけで2イーグルの離れ業を決めた。ティーグラウンドが前に出され、1オン可能となった14番パー4ではピンの右手前8メートルに乗せて1個目。難関16番で池に入れてダブルボギーをたたきながら、最終18番パー5では残り113ヤードから52度のウエッジで放った第3打がカップに消えた。

 イーグル賞に加え、大会中のバーディーやイーグル数などをポイント換算して競う「長嶋茂雄賞」も受賞し、副賞だけで合計225万円をゲット。「ついてましたね。予想外のボーナスがそろって(優勝した)開幕戦よりうれしいかも」とおどけたが、歓喜の初V以降は5試合連続予選落ちとどん底を味わった。5月のツアー選手権森ビル杯でようやく予選を通ったが「余裕が出て気が抜けていた部分もあるし、あの最終日から体調もすごく悪くて。優勝することを目標にやってきて、優勝しちゃったものだから、目標をどこに置くのかとか、いろいろ考えることになって。ゴルフに集中できていなかった」と戒めとともに振り返る。

 足元を見つめ直し、トンネル脱出のきっかけをつかんだ。「自分のゴルフって、我慢強く、しぶとく食らいつく。スタイルを見失えば、自分のゴルフはできない。やっと気持ちが入ってきた」。苦しんだ末に見つけた“軸”は、きっと揺るぎないものになる。