黄アルム(30=韓国)が、プレーオフの末、イ・ミニョン(26=韓国)を下し、9年ぶりのツアー2勝目を挙げた。

 首位スタートの黄は、2位と1打差で迎えた最終18番で、前日に続き痛恨の池ポチャ。ボギーをたたき14アンダーでイに並ばれた。18番でのプレーオフ1回目で、黄は、イがパーを決めたあとのバーディーパットを決め、今季初勝利をつかんだ。優勝を決めた瞬間、黄は右手でガッツポーズ。09年4月の初優勝から、9年115日。中嶋千尋の9年297日に次ぐ、史上2番目の長いブランクを超えての優勝に「長すぎて(優勝したことを)忘れるぐらい。もう優勝できないと思っていた」としみじみと話した。

 2年前に「今のままだと何も変わらない」とメンタルコーチを頼み毎週、テレビ電話でレッスン。メンタルコーチの薦めで1年半前にはスイングコーチもつけた。「自分のプレーに結果を求めないことを、毎週毎週コーチと話をしてやった」と言う。それでも、今年の5月にはゴルフを止めることも考え、韓国の先輩に電話で相談。「アルムは頭がパニクっているから、1週間ぐらい休んで考え直したら」とアドバイスされたという。6月最初のヨネックス・レディースでは、新潟に行くはずが仙台行きの航空券を購入。仙台空港に着いてから、間違いに気付くほど心に余裕がなかった。そんな苦労を乗り越えて、ようやくつかんだプロ2勝目。「今後も結果しゃなくて、自分で1打1打かみ合う日だったら、今日みたいにスコアが出る日があるから。それだけです」と黄は淡々と話していた。