畑岡奈紗(19=森ビル)がホームで米ツアー2勝目を挙げた。首位と4打差3位から7バーディー、2ボギーの67をマークするチャージで逆転。通算14アンダー202で、11年の上田桃子以来となる日本勢7年ぶりの大会制覇を飾った。6月のアーカンソー選手権で日本勢最年少Vを成し遂げ、16年の野村敏京以来の年2勝を挙げた。2度の大会制覇を誇る上田と永峰咲希が2打差2位に入った。

6番で3つ目のバーディーを奪った後、畑岡はリーダーズボードで首位で出たリー(オーストラリア)の後退を知った。自らの首位浮上を知り「攻めすぎず」を意識したが、9、10番の連続バーディーで通算14アンダーまで伸ばすと無意識に力んだ。第1打を左に曲げて11、12番で連続ボギーを喫した。続く13番、ピンまで残り28ヤードの第3打。これまでウエッジ(54、58度)を使っていた場面でピッチングウエッジを選んだ。

グリーンの傾斜がピン奥から手前に低くなっており「1ピン手前にキャリーしないと寄らないので、転がす方がイメージが出ると。米国で覚えた」。ピン1メートルに寄せてパーセーブ。14番第1打も左バンカーに入れたものの「ピンは見えないけれどキャディーさんにラインだけ教えてもらい」50度ウエッジでピン1メートル弱にピタリとつけた。

過去2年の会場が自宅から車で30分の茨城・太平洋C美野里Cで開催された。出場権がなかった2年前は観戦。昨年は日本ツアーの一員として初出場(33位)した。今年は会場が変更され、米ツアーメンバーとして臨み「TOTOで勝ちたいというのがあった」。台湾開催の前週米ツアーから10月29日に関西空港着の航空便で帰国。すぐコース入りし、パターとアプローチの練習に励んだ。オフなしの「いつもはやらない」異例調整で本気度も示した。

「この2勝は3日間大会なので4日間で勝ちたい」と掲げる畑岡の今季残り試合はCMEツアー選手権(15日開幕、フロリダ)のみ。オフには成人式用の晴れ着撮影などをこなし、19年1月開幕の新シーズンに備える。目標の東京五輪は2年後。「あっという間の2年だと。世界ランクを意識していきたい」。世界ランク16位畑岡が、トップ10入りする日も近い。【藤中栄二】

◆畑岡の米初優勝VTR 6月のアーカンソー選手権は第1日に首位と1打差2位で発進。第2日にミンジ・リー(オーストラリア)と並ぶ首位に浮上。最終日はリーと最終組で回り、通算13アンダーの首位で出た畑岡は3、5、7、9番と前半からバーディーを量産して独走。一気に前に出た後半も12、15、17、18番とバーディーを重ねて63をマーク。大会3日間でのボギーは1つのみ、後続に6打差をつける通算21アンダーという大会最少スコアで優勝した。