国内女子ゴルフの今季注目選手14人を紹介する連載、最後のテーマは「賞金女王争い」です。

昨年3勝を挙げた成田美寿々(26=オンワードホールディングス)は、初の獲得賞金1億円超えを果たし、賞金ランキング5位になりました。プロ元年から目標に掲げる20年東京オリンピック(五輪)出場に向け、初の賞金女王の獲得を大きなはずみにするつもりです。

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1並びの1月11日、成田は都内の高級ホテルで開催された所属先主催の「新年賀詞交歓会」に出席した。大人っぽい緑がベースの晴れ着で登場。風は冷たいものの、着物姿で暖かい日差しを心地よく浴びながら「ここでビシっと決めてもらうと、1年が始まったなと思います」と気持ちを切り替えた。18年の反省点を踏まえながら具体的な数字を挙げ、賞金女王への“ハードル”を設定した。

昨年は71・1262で全体7位だった平均ストロークについて「70・4以上の人は賞金女王になれない。70・4以下に向けてアプローチなどの精度を上げたいです」と口調を強めた。さらに次々と掲げる部門別データを挙げ続けた。62・39%で全体31位だったリカバリー率は69%へ、40%で全体46位だったサンドセーブ率も70%へ、そして平均パットも3位以内を狙うとした。「これを足し算すると平均ストロークが70・3になるんですよ。数字にするのは簡単なんですけれど、やるとなると難しい。弱点を弱点でなくしたい」。

中でも意識しているのが、リカバリー率だという。「私は昨年の(賞金ランク)トップ5の人と比較するとリカバリー率が極端に低いんです。これを改善しないと賞金女王は見えてこないし、取り組んでいきたいです」。先月15日から3週間、米パームスプリングズ合宿に臨み、2月から国内調整に入った。もう1カ月を切った19年ツアー開幕に備え、意識する課題を克服した時、成田の19年賞金女王獲得→20年東京五輪出場の道筋が見えてくる。

【藤中栄二】

◆成田美寿々(なりた・みすず)1992年(平4)10月8日、千葉県市原市生まれ。12歳からゴルフを始める。拓大紅陵高を経て、日体大1年時の11年にプロテスト不合格後、QT(予選会)を突破し、プロ転向。12年富士通レディースで初優勝。13年にプロテスト合格。14年に国内メジャーのワールド・サロンパス・カップを制覇。ツアー通算11勝。18年にLPGA資生堂ANESSAビューティー・オブ・ザ・イヤー受賞。家族は両親と兄。167センチ。