黄金世代の吉本ひかる(20=マイナビ)が、初優勝に王手をかけた。風雨の中、5バーディー、ノーボギーの自己ベスト66で回り、通算7アンダー、135で首位に浮上。

プロ入り後初の首位で迎える最終日に、前週惜しくも逃した優勝を目指す。上田桃子と大江香織が2打差2位につけた。

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吉本はパー5の3ホールすべてでバーディーを奪った。152センチと小柄で飛距離も出ないが、第3打で確実にピンに寄せ、バーディーを取る。これが吉本の真骨頂。4番(477ヤード)パー5でのティーショットは5番ウッド。「3打目に残す距離が、自分の得意な距離になるよう逆算して」。計算ずくのプレーだった。

黄金世代と呼ばれる98年度生まれの16人が参加した大会で、自己ベスト66は、この日のベストスコア。初の予選首位通過で念願の初優勝に大きく近づいた。「調子がいい。飛距離も去年と比べて伸びています」と笑顔で話した。

昨年はレギュラーツアーと下部ツアーの掛け持ち。なかなか結果も残せなかったが「後半疲れが出て、今まで経験のない肩こりもあった」という。その反省からオフには体力、特に体幹を中心にトレーニング。両手で縄を振る練習などで、上半身と下半身の連動がスムーズにできるようになった。飛距離も5~10ヤードアップしたという。

そのかいあって、今年は、開幕から7試合でトップ10以内が4試合。前週のKKT杯バンテリン・レディースでは最終日7位から追い上げ、2位に入った。ルーキーだった昨年は19試合で予選通過が6試合。トップ10も1度だけと大きな飛躍を遂げている。

昨年は居酒屋やファミリーレストランで済ませた大会期間中の夕食も、地元のおいしいものを味わう余裕ができた。28日の最終日に、初優勝を目指すが「あまり優勝は気にしていない。しっかりアンダーパーで回れるようにしたい」。自分のゴルフを貫けば、結果はついてくる。【桝田朗】