昨年のプロテストに合格したルーキー、吉本ここね(19=不二サッシ)が初の単独首位で発進した。ボギーなし、6バーディーの6アンダー66をマーク。ツアー初優勝に向けて好スタートを切った。1打差2位には渋野日向子、キム・ヒョージュ(韓国)、2打差4位に青木瀬令奈ら4人が並んだ。前週ツアー初優勝を飾った原英莉花はイーブンの44位につけた。

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降雨の中、吉本が着実にバーディーを重ねた。インスタートの16番パー3。グリーン左カラーから約7メートルのバーディーパットを決めると、17番では残り約11ヤードの花道から56度ウェッジでチップインで連続バーディーをマークした。後半1番も残り11ヤードの花道から56度ウエッジで2度目のチップインバーディー。計6バーディーと量産し「大きなミスがなくて。ノーボギーだったので良かったです」と照れ笑いを浮かべた。

出身地の北海道・札幌光星高2年時からナショナルチーム入りし、昨夏のプロテストに1発合格した。ルーキーイヤーの今年も「とにかく(地元が)好き。(冬場の雪で)ゴルフができなくても離れたいとは思わない」と札幌市に拠点を置く。あこがれの選手もゴルファーではなく、プロ野球北海道日本ハムに在籍していた現MLBエンゼルス大谷翔平投手を挙げる。年2回は札幌ドームに足を運ぶなど、地元愛が強い。

「黄金世代」と呼ばれる1学年上には、同じ名字の吉本ひかる(20)がいるため、「よく間違われます。いつもひかるさんは良い順位にいるので、お父さんの会社の人とかが『娘さん良いね』と言われて」と苦笑。今週は「ここね」の存在をアピールする絶好の機会となる。QT(予選会)ランク43位のため、来月以降のツアー出場権確保のためにも上位を狙いたい。「結果にとらわれないように前向きに。動揺しないで落ち着いてプレーしたい」と平常心を貫いていた。