石川遼(27=CASIO)が、涙の国内メジャー初制覇を飾った。九州南部で続いた大雨の影響で決勝の2ラウンド(R)分となる1日36ホールに臨み、一時は首位と7打差まで後退。それでも奇跡の追い上げで、35ホール目で首位黄重坤(ハン・ジュンゴン、27=韓国)を捉え、通算13アンダーの269で並んだプレーオフ(PO)1ホール目に4メートルのイーグルパットを沈めて劇的勝利。5年のシード権を獲得し、20年東京オリンピック(五輪)出場と米ツアー再挑戦を目標に掲げた。ツアー優勝は3年ぶり通算15勝目。

◆石川遼の初優勝VTR 東京・杉並学院高1年だった石川は07年5月20日、プロツアー初出場となったマンシングウェアKSBカップ(岡山・東児が丘マリンヒルズGC)で15歳245日というツアー史上最年少優勝を飾った。第1日は、最大瞬間風速24・8メートルの強風で中止。翌日の第1ラウンド(R)はパープレーの72で70位、第2Rは69として、首位から7打差の23位で予選を突破した。1日36ホール競技となった最終日は、午前6時20分の第1組でスタート。第3Rは69で9位に急浮上すると、組替えなしで続けて行われた最終Rもプレーはさえわたった。首位に並んで迎えた17番パー3で、約30ヤードのバンカーショットがそのままカップに吸い込まれるスーパーショット。6アンダーの66をマークし、通算12アンダー276でホールアウトすると、後続の選手は追いつけなかった。