男子ゴルフの全英オープンが今日18日、英国・ロイヤルポートラッシュGCで開幕する。昨季まで松山英樹の専属キャディーを務めた進藤大典氏(38)が、難解なメジャー最終戦を解説した。

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全英オープンは米国で行われる他の3つのメジャーとはまったく違います。リンクスコースで行われ強風が吹く上、地面が非常に硬い。しかも、米国とは時差があります。攻略の鍵は主に3つあります。

ますは「準備」です。現地との時差はニューヨークで5時間。いつも米ツアーで戦っている選手は、その調整にまず神経を使います。タイガー・ウッズ(米国)は約10日前から午前1時に起きるなど現地時間に合わせて生活するほどです。

寒さ対策も重要です。気温は10度くらいまで下がり、雨風が吹き付け体感は真冬並み。カイロ、ヒートテック…、たくさんの防寒具を持ち込みます。日照時間も午前4時に日が昇り、午後10時に日の入りと長いので寝られない。アイマスクなどを持ち込み対策しています。また、英樹は全英だけは専属シェフをつけて、食事面も気を使い体調管理しています。全英は、事前準備がもっとも大事で、トップ選手は、現地入りする前から戦いがスタートしているのです。

2つ目は「風」です。海風が四方八方から吹き、強くて重いです。フォローかアゲンストかの判断が非常に大事。球も高い球、低い球を使い分けます。スピン量も必要でいろんな技術が求められます。風を読むのがマスターズなら、全英は風の計算が求められます。

最後は「マネジメント」。風と関係がありますが、普段、ドライバーの平均飛距離が300ヤードの選手がフォローの時は400ヤード近く飛ぶ時もあれば、アゲンストだと220ヤードほどしか飛ばない時もある。クラブ選択が大事です。4日間、同じコースではないのが全英。経験値が求められます。

そういう意味で、ロリー・マキロイ(英国)らが、このコースのメンバーで地の利という面では有利です。ただ、英樹は先週の3Mオープンでも7位に入っていたし、安定しています。調子は去年より良いので大いに期待できるでしょう。(プロキャディー・進藤大典氏)