【ポートラッシュ=益子浩一】初出場の堀川未来夢(みくむ、26=Wave Energy)が全英仕様で好発進した。2バーディー、2ボギーのイーブンパー71で回り42位。今大会限定で英国国旗を施したキャディーバッグで登場。イ・ボミ(韓国)の黄金時代を支えた清水重憲キャディー(45)に担いでもらい、難コースを攻略した。稲森佑貴(24)が70で首位と4打差の20位につけ、松山英樹(27)は71で42位。66をマークしたJ・B・ホームズ(米国)が首位。

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68年ぶりに開催される北アイルランドの同コースに、堀川の存在感がキラリと光った。時折、横なぐりの雨がたたくリンクス。キャディーバッグとクラブのヘッドカバーに、英国国旗が派手に施されていた。それを担いだ清水キャディーが「彼は欧州向きですね」と満面の笑み。地元出身のマキロイにウッズ、ミケルソンでさえ出遅れた難コースで、初出場ながら松山と同じイーブンパー71で回って見せた。

12番パー5で第3打をピン側に寄せて最初のバーディーを奪うと、続く13番パー3は10メートルのバーディーパットを沈めた。狭いフェアウエー、傾斜の強いグリーン、コースを囲む大観衆。日本ツアーでの日常とはかけ離れた一大イベントでも、持てる力を出し切った。

「ノリさん(清水キャディー)と話をして、1日3つのボギーは仕方がない。一番ダメなのはダボ。バーディー2つで取り返すのは、なかなか難しいから。欲を出さないようにした結果です。思うようなゴルフが、かなりできました」

初の海外メジャーとなった6月の全米オープンは予選落ち。その経験を踏まえて「バーディーの数より、ボギーを減らすことの方が大事」。一方で「2、3個は(バーディーが)入ってくれればいい」とも。“お祭り”を楽しむ余裕が、今の堀川にはある。