福岡・沖学園中3年の林田直也(14)が、史上最年少となる初の中学生チャンピオンに輝いた。台風5号の影響による強風も、指10本で握るベースボールグリップ効果でプレーが安定。課題のパッティング修正も功を奏し1アンダー70(パー71)の通算145で大逆転した。総合の部20位タイ、シニアの部10位タイまでが、日刊アマ全国大会(11月14日開幕、石川・片山津GC)の出場権を得た。

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林田が初の中学生チャンピオンに輝いただけでなく、15年に沖学園高1年で優勝した兄卓也(日大2年)に続く初の「兄弟V」も成し遂げた。

18番パー4はボギーで終わったが「兄が優勝しているので、僕も優勝したかった。ホッとした」。強い思いで最後を締めた。この日、早朝まで降った雨でグリーンが重く、台風5号による強い風の影響もあった。だが指10本で握るベースボールグリップで「安定した分、真っすぐ行ってくれた」とプレーが安定していた。

パッティング練習も功を奏した。第1日を終え、北九州市小倉南区の自宅で30分間、4年前に父が林田の部屋に作ってくれた長さ6メートル、幅2・5メートルでスライスやフックラインを鍛えられる人工芝のパッティング練習場で課題を修正した。最終日は4オーバースタートだったが、バーディー先行で10番パー4で首位に追いつくと、勢いは止まらない。正確なショットと調子を取り戻した小技がかみ合い、70の通算3オーバーで逆転した。

6歳から目標とする日本プロ4位タイの時松も通った桜美ゴルフハウス(福岡市)の門をたたいた。ベースボールグリップを取り入れる篠塚武久さんの指導の下、入門時のハーフ90から大きく飛躍した。成長著しい林田の次なる挑戦は、7月下旬に行われる九州ジュニア優勝だ。兄や7月に世界ジュニアに出場した弟聖也(8)君の存在も刺激に努力を重ねる。【菊川光一】

日刊アマ大会委員長・村田哲也氏(59)「昨今、中学生が活躍する卓球などもそうだが、ゴルフも中学生が優勝するほどレベルが上がってきた。林田君と話したら『優勝を狙っている』と即答していたし、中学から結果を残せば将来は相当期待できる。クラブはベースボールグリップで握っており、これも時代の流れなんでしょうね。またコースコンディションは、一昨日の雨でバンカーはまるでプールみたいな状態でした。心配しましたが、試合に支障がないほど整備していただいた。試合ができたのも管理の方々のおかげです」

◆林田直也(はやしだ・なおや)2004年(平16)12月1日、北九州市生まれ。ゴルフは3歳で始めた。6歳から桜美ゴルフハウスに通い、ベストスコアは小6で記録した69。優勝は16年のTKUジュニア選手権、小学生春季大会など。今年5月の九州アマで31位タイ。ドライバーが得意で平均飛距離270ヤード。170センチ、63キロ。家族は両親と兄、弟。血液型A。