雷雲接近で天候の回復が見込めないため2日連続のサスペンデッドとなり、アマチュアの渋沢莉絵留(18=北山CC)が2ホールを残し4バーディー、1ボギーの通算8アンダーで暫定2位に浮上した。日本資本主義の父、渋沢栄一の子孫が決勝ラウンド(R)でツアー初勝利を目指す。浜田芙優が5バーディー、1ボギーの通算10アンダーで暫定首位に立った。3日に第2Rの残りと、第3ラウンドを行う。

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プロも消耗するドタバタの中で、渋沢がしぶとく2位を守った。午前3時に起床し、第1Rの残りを消化し5アンダー、67で2位をキープ。第2Rスタートの10番パー5でボギーをたたきながら、その後4つのバーディーで巻き返した。

終盤の8番のティーショットを打った直後に、この日2度目の中断でサスペンデッドが決定。「こんなに中断の多いのは初めて。今日は練習ラウンドで入念にメモを取ったおかげで、攻めと守りがはっきりしたゴルフができた」と喜んだ。

黄金世代に続く、プラチナ世代と呼ばれる年代。トップランナーの安田祐香とは生年月日も同じという。「ナショナルチームには入っていないけど、戦う場所は同じ」と対抗心を燃やす。日本資本主義の父で、24年からデザインが一新される1万円札の顔、渋沢栄一と縁戚関係にあり注目を集めるが「あ、そうなんだって感じ」とそっけない。

名前の莉絵留(りえる)は、母麻由美さんが悟りを得るという意味でつけたという。悟りは「これからです」という渋沢に、プロテスト前にツアー初優勝のチャンスが巡ってきた。「そんなに意識していないけど、調子を保てているので、じわじわ追いついていきたい」と決勝Rへの意気込みを語った。【桝田朗】

◆渋沢莉絵留(しぶさわ・りえる)2000年(平12)12月14日、群馬県太田市生まれ。兄の影響で9歳でゴルフを始め、宝泉中で14年の群馬県選手権、15年の関東中学選手権などに優勝。福岡・沖学園高に進学し、16年の九州高校選手権に優勝。同年の全国高校選手権団体3位。高校卒業後は北山カントリー倶楽部所属。160センチ、62キロ。得意クラブはドライバー。