「スマイル・シンデレラ」渋野日向子(20=RSK山陽放送)もかつて、仏頂面だった。岡山市・平島小6年時の担任、徳永加世子教諭が振り返る。

「感情が表情に出すぎてしまう。ある日、ソフトボールの試合で、結果がよくなかったことをあまりに引きずっていた。だれが見てもイヤな感情と分かる。『その態度よくないよ』と注意したことがありました」

徳永先生の印象は「私の知っている限り、決してメンタルは強くなかった」。例えば陸上の記録大会、予選などでは伸び伸び走っても、決勝では明らかな緊張がみてとれたという。人がどう思うか、周りを気にするタイプでもあった。

それが、終始笑顔で重圧を振り払ってメジャー制覇した姿に「驚きました」。小学校の卒業文集の主題は「プロゴルファーになる夢をかなえたい」。そこに、自らの課題を明確に記していた。「身体能力は飛び抜けていた」という小学校時代から、心も成長し、それがメジャー制覇の偉業へ、要因のひとつとなった。