今季国内メジャー2勝目を目指す渋野日向子(20=RSK山陽放送)が、67で回り首位と3打差の7位と好発進した。米ツアーで活躍する畑岡奈紗(20=森ビル)、柳簫然(ユ・ソヨン、29=韓国)と同組で8バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの5アンダー。ミスの直後は必ずバーディーで取り返す切り替えの早さで、畑岡、柳と互角の戦いを演じた。岡山絵里、ペ・ヒギョンが8アンダーで首位に立った。

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ミスをしても、アクシデントがあっても、渋野はタフに戦った。第2打をOBしダブルボギーをたたいた6番では「ダボ、しゃあねえな」とキャディーと笑い合った。9番では、第2打が、コース上の木に当たり、自分が打った場所の近くにはね返った。渋野は「そうなるよな、という感じ」と逆境を受け止めた。

「まだ第1日の前半だし、ショットの調子が良かったので、今まで以上に切り替えが早かった」と振り返った。仕切り直しの後の7番、8番で連続バーディー。9番の後の10番、11番でも連続バーディーを奪い、5アンダーの好成績に結び付けた。

スコアを落とした直後にバーディーを奪う「バウンスバック率」は、27・4611%でプロNO・1。2位の永峰咲希に約5%以上の差をつける驚異的な数字だ。LPGA関係者は「ワールド・サロンパス・カップの後に、渋野さんが1位になって、その活躍とともにバウンスバックという言葉も広く知れ渡るようになった」と話す。

この日は、7640人のギャラリーが詰めかけ、日本女子オープンの第1日の新記録となった。渋野、畑岡、柳の注目の組には大勢が集まり、携帯の着信音やカメラの音がプレー中にも鳴っていた。前週の大会ではいら立ちも見せたが「イライラしていた自分が情けない」と切り替え、好調時のバロメーターでもあるプレースピードは増していった。

戦いながら、米ツアーで実績を残している柳のプレーから学ぶことも忘れなかった。「17番の簫然のアプローチは、正直今の私にはできない。18番の第3打は、ああいう打ち方もあるんだとレパートリーが増えた」と素直な感想を口にした。経験や実力では差のある相手と回っても、ただでは終わらないのがしぶこ流。進化を続けながら、ビッグタイトルへチャレンジする。【桝田朗】