第3ラウンドの残りと最終ラウンドが行われ、首位から出た塩見好輝(29=国際スポーツ振興協会)が初優勝を逃した。3バーディー、3ボギー、1ダブルボギー、2トリプルボギーの79と崩れ、通算5オーバー、289で10位。14番までは2打差の首位だったが、15番でまさかのトリプルボギーで首位から陥落した。チャン・キム(米国)が逆転で今季初優勝を果たし、ツアー4勝目を挙げた。

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精気のうせた塩見の顔が、悪夢を物語っていた。第3ラウンド終了時点でアンダーパーは1人だけ。2位と4打差とセーフティーリードかと思われた最終ラウンドで、まさかの8つスコアを落とし、初タイトルが手元からするりとこぼれ落ちた。日本屈指の難関コースだったが、「ずっと我慢できていたんですけど、なんかワナにはまって、一番下までいっちゃった感じ」と悔しそうだった。

2位と2打差で迎えた15番パー4。2オンを狙った第2打がグリーンからこぼれバンカーへ入ると負のスパイラルに陥った。第3打は、バンカー内でワンバウンドすると前のラフに入るミスショット。第4打もショートし、グリーンエッジまで。パターで打った2メートルのボギーパットを外すと第6打はカップに蹴られた。結局、トリプルボギーを打ち首位から落ちた。「誰もがパーを取れるところからトリプルなので、それはダメ。考えられない」と自分を責めた。

プロ8年目。昨年はAbemaTV賞金ランク19位、その資格で今年の前半戦の出場権を得た。今大会も最終予選からの出場だった。「こういう経験はほとんどできない。どんなライでもうまく打てるようになるかなと思う」。苦労人は悔しさを糧に、はい上がってみせる。【松末守司】