全英女王の渋野日向子(20=RSK山陽放送)が“神の胸”から猛チャージを決めた。スタート1番パー5の第1打が左に曲がり、男性ギャラリーの胸を直撃。打球がフェアウエーに戻り、バーディーにつなげた。15番終了時点で日没サスペンデッドとなったが、5つスコアを伸ばして通算4アンダー。残り2日でトップと6打差のV圏内に浮上した。11組33人が第2ラウンドを終了できなかった。

  ◇    ◇    ◇

日の入りを3分過ぎた午後5時17分。渋野は15番で1メートルのバーディーパットを決めた。「暗かったけど、全然大丈夫でした。(15番を)終わらせたかったんで」。大雨による2時間17分の中断でスタートが大幅に遅れ、ツアー競技で初めて18ホール完了できず日没サスペンになった。だが、6バーディー、1ボギーで通算4アンダーとしたのは、大満足だ。

V圏内に浮上した1日は“神の胸”で始まった。1番パー5でドライバーを左に曲げ、打球が30代男性ギャラリーの胸を直撃した。「正直当たると思わなかった。球はフェアウエーにあるし、当たったお客さんも笑ってたんで“ほんとに当たったのかな”と。ほかのお客さんが“僕にも当てて”とか言ってて」。

まさかダイレクトで当たったとは…。サッカーの胸トラップのように方向良く20ヤード以上も跳ね返ったとは…。「ダイレクト? 今聞いてビックリです。明日も会ったら、謝んなきゃ」。ボールにサインして渡し、謝罪はしたが、プレー終了後に事実関係を知って仰天し、男性が全く無傷と聞いてホッとした。結果的にそのホールでバーディーを奪い、チャージにつなげた。

残り2日。第2ラウンド(R)残り3ホールと決勝2Rの39ホールで、同組の稲見を6打差で追う。「ショットはかなりのベタピンもあったし、初日より修正できてます。パットは久々に距離感が合ってます」。逆転Vへ。強運も渋野を後押しする。【加藤裕一】