新潟市出身の女子プロゴルファー高橋彩華(さやか、21=東芝)が20年シーズンに勝負をかける。

2年目の昨季は賞金ランキング19位でシードを獲得した。渋野日向子(21)らと同じ“黄金世代”。ライバルたちとともに注目される中、3年目の今季はツアー初勝利、それをきっかけに賞金女王を狙うことを目標にしている。

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高橋はシーズンインを楽しみにしている。「まず1勝。それができたら勝っていけそうな気がする」。3月の開幕に向け、年明けから本格的に始動。「背中と足を強くしたい」とテーマを持って筋トレなどを行う。「しっかり調整したい」と準備に余念がない。

今季の飛躍のポイントは「最強のメンタルを持つこと」。昨季は国内女子ツアー年間獲得賞金は約5500万円で賞金ランキング19位。6月のニチレイレディースでは初日から首位に立ち、最終日プレーオフで優勝を逃したが自己最高の2位。10月の日本女子オープン以降の9戦はすべて予選をクリアした。この間、5試合は1ケタ順位。「パットが安定したことで、落ち着いた」と技術的に成長した。それ以上に「いい意味で適当。自然体でプレーできた」と精神的な変化が収穫だった。

昨季序盤はミスを恐れ、考えすぎていた。開幕から10試合で予選落ちが8試合。繊細だった。成績が良いと、その時と同じ食事をし、同じ色のウエアを着用した。そのうちに息苦しくなった。「気にしていたら、いつも同じものしか食べられないし、着る服もなくなる。面倒になった」。夏場、験かつぎをやめた。

天候、気温、風向きなど自然を相手にするスポーツ。「自分ではどうにもならないことが多い。だからなるようにしかならない」。そう考え、気持ちが“無”になる感覚を得た。「何も考えずに臨むと結果が出るようになった。それを追求しないと」。自分との闘いを極めることが自分を強くすることだと気がついた。

渋野ら同世代とは仲がいい。ツアー中も一緒の時には会話を楽しむ。もちろん「試合の時は別」と気持ちの切り替えはできる。プロ初勝利はまだ達成していない。ライバルたちとの争いが待っている今季、「早い段階での勝ちたい。年間5勝すれば賞金女王を狙える」。標的を射止める精神力は備わりつつある。【斎藤慎一郎】

◆高橋彩華(たかはし・さやか)1998年(平10)7月24日生まれ、新潟市出身。大形小4年からゴルフを始める。大形中から開志国際に進み、3年の時に日本女子アマ、トゥルービジョンインターナショナルジュニア選手権(タイ)で優勝。18年7月にプロテスト合格。賞金ランキングは18年92位、19年19位。ツアー未勝利。162センチ。