日本最古のゴルフ場として1903年(明36)にオープンした神戸ゴルフ倶楽部(神戸市灘区)で使用されていた「サンドグリーン」がこのほど復元され、9日に公開された。

神戸GCは、外国人居留地にいた英国人商人アーサー・ヘスケス・グルーム氏を中心に作られた。池戸秀行支配人によると、当時の六甲山は笹(ささ)ツツジ、岩だらけのはげ山で芝が生息できない環境で、土を使ったサンドグリーンが発案された。開業から高麗芝のグリーンが全ホールに行き渡るまでの30年間、同GCで使用された。

今回の復元のきっかけは3年前、敷地内の地中から、サンドグリーンのメンテナンスに使われたとみられる石のローラー3本が見つかったこと。歴史を再現しようとする機運が高まり、約2カ月で完成させた。

遠目に見れば、グリーンというよりバンカー。グリーン面は形状が崩れないよう、周囲より数十センチ掘り下げられ、土をローラーと手作業で硬く締め、その上に砂を敷き詰めた。水はけ等を考慮し、中心に向けて盛り上がった構造。カップはセンター部分にあり、諸説ある素材から素焼きを選び、植木鉢で代用した。同GCを管理する中筋史裕氏は「資料がほぼ写真しかないので、すべて推測で作業を行いました」と説明する。

ちなみに表面はコンクリートのように、カチンコチン。ボールを落とすと「カツン!」と音がして跳ね上がる。スピードは「砂がなければ」(中筋氏)スティンプメーターで14フィート前後が予想されると言い、あのオーガスタ・ナショナルGCの“ガラスのグリーン”級? 中筋氏は「これも想像ですが、昔はここまで硬くなく、もっとでこぼこやったんじゃないですかね」と話していた。