新型コロナウイルスの影響で世界の主要ゴルフツアーは中止が続く中、韓国でプロ野球、サッカーに続いて女子ゴルフが今年初めて行われた。無観客で、スローガンは「コロナ克服」。韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)は、ウイルス対応マニュアルを作成し、選手、キャディーらに問診票提出、検温などを義務づけるなど、感染対策を施した。日本の元賞金女王イ・ボミ(31)は、今季初ラウンドで2オーバーの74、83位発進だった。

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過去に例を見ない、厳戒トーナメント。選手、キャディーらにはKLPGAが作成したウイルス対応マニュアルが事前に配布され、各人がコース到着時に問診票を書き込み、検温、手指などの消毒を済ませ、クラブハウスに入る。検温は1度という訳でなく、コース内にいくつかサーモグラフィーによるゲートが設けられ、チェックされる。

「3密」を避ける措置も徹底された。ロッカールーム、練習場は「2メートル」のソーシャル・ディスタンスを保つようになっており、ストレッチエリアなどは個々のマットが余裕をもって並べられた。クラブハウスに入場できる者は選手、キャディーらだけで、マスコミ取材も指定エリアでのみ、制限時間は5分とされた。

コース上も通常時と異なるスタイルだ。無観客試合のため、選手とギャラリーを分けるロープが張られることはない。マスクは、イ・ボミら一部選手が途中まで着用してプレーした以外、ほとんどの選手は着けていなかったが、キャディーは全員着用していた。ハイタッチ、握手は禁止。ホールアウト時に交わす同組選手らとのあいさつは、互いの肘を軽く触れる“エルボータッチ”が多かった。

一方で、出場選手は「ほぼマックス」といえる150人。日の出から日の入りまで、日照時間をフルに使って完了できる人数だ。第1組はアウト、インの両方から午前6時20分にスタートした。

賞金総額30億ウォンは42回目で大会史上最高額。スポンサーからの出資は少なく、KLPGAが20億ウォン以上を出したという。第2ラウンド(R)で102位タイまでの1次カット、第3Rで70位タイまでの2次カットはあるものの、今回は出場全選手に賞金が分配される予定。“職場復帰”した者への配慮がうかがわれた。

◆韓国女子プロ選手権 KLPGAツアーのメジャー大会で韓国のプロNo.1決定戦。日本の日本女子プロ選手権にあたる。今年で42回目。日本ツアー参戦経験のある主な歴代優勝者は、具玉姫(80~82年)高又順(90、92、94、96年)申ジエ(10年)アン・シネ(15年)ペ・ソンウ(16年)。